戸隠連山と北アルプス(飯縄山)


Date/Time: 2014:06:15 11:06:29
Camera: PENTAX
Model: PENTAX K-5 II s
Exporsure Time: 1/4000
FNumber: 3.5
Aperture Value: 3.6
Focal Length: 21.0

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4

05

2007

4/5 1番霊山寺から6番安楽寺へ

1番札所霊山寺から別格1番太山寺を経て6番安楽寺へ



高徳線で板東駅へ JR高徳線 板東駅 1番霊山寺 霊山寺 マネキンの出迎え 出発準備の歩き遍路さんたち 2番極楽寺 長命杉 整備された境内 3番金泉寺 ようやく遍路道 愛染院 4番大日寺 桜 5番地蔵寺 遍路道 大山寺の山門 仁王様(吽形像) 阿形(あぎょう)像 古びた石段 大山寺境内 気象観測施設 麓の街 白山羊 6番安楽寺 宿望の部屋



1番札所 霊山寺へ


徳島駅 8:23AM発の列車で1番霊山寺の最寄り駅である板東駅に向かった.車内は通学の高校生で賑やかだったが、勝瑞という駅で高校生が降りると車内は急に静かになった.車内を見渡すと白衣に菅笠スタイルのお遍路さんが一人、バックパッカースタイルの外人のご夫婦が一組、あとは地元のおじさんおばさんが10数名といったところだろうか.板東駅に着くと、外人のご夫婦も一緒に降りた.お遍路の様子でも見物に来たのだろうか.


以前に霊仙寺から金泉寺まで歩いて見たことがあったので、地図を確認するまでもなく真っ直ぐ霊仙寺へ向かった.郵便局の前を通り過ぎ、右に曲がると程なく霊山寺の山門が見えてきた.今日もお遍路姿のマネキンが門の前で迎えてくれている.初めて霊山寺を訪れたとき、このマネキンを見て何とも場違いな印象を覚えたものだが、逆に今では何故かこのマネキンを見ると不思議に霊山寺に来たという実感が湧いてくる.


霊山寺の境内は思ったよりも閑散としていた.春の遍路シーズンなのでもっと混み合っていると思っていたが、境内には歩き遍路と思われる人達が数名居るだけだった.まだ何もお遍路用品を持っていなかったので、門前の遍路用品店で必要最低限のものを買うことにした.


お遍路の一般的なスタイルを踏襲するつもりは無かったが、金剛杖と菅笠だけはとても役に立ちそうなのでここで購入することにした.白衣を身につけて歩くつもりはなかったが、今後何かの折りに必要になるかもしれないと思い、とりあえず買っておくことにした.納経するつもりは無かったので納経帳は購入しなかった.この他に白の納め札100枚と経本を1冊購入した.


他に何か購入して置いた方が良い物があるだろうかと思い、店内を物色していたら、先程列車で見かけた外人のご夫婦がお店に入ってきた.お土産でも買いに来たのかと思ったら、遍路用品を購入しに来たようだ.このご夫婦も歩き遍路に出るのだろうか.言葉を掛けてみようかと思ったが、お店のご主人が一生懸命片言の英語で応対していたので邪魔をしては悪いと思いそのまま店を出た.


霊山寺へ戻り、買ったばかりの経本を開きながら本堂の片隅で細々と般若心経を唱えてみる.経本の文字を追うのが精一杯で、どこで息継ぎをしてよいのかわからない.団体山が周りに居れば先達山さんが音頭を取って読経してくれるので良い練習になるのだが、あいにくまだ団体さんは来ていないようだ.


きちんとした参拝の手順や作法があるらしいが、細かいことにはあまり囚われずに全て自己流で通すことにした.


まだとてもぎこちないお勤めだったが本堂でのお参りを済ませ、大師堂へ向かった.大師堂でも本堂とほぼ同じ手順でお参りするようだが、冗長な様な気がするので大師堂では般若心経を唱えるだけにして、御大師様に出発の挨拶を申し上げた.


『御大師様.準備はいいですか? 出発しますよ.』



出発


午前10時、霊山寺を出て次の札所である2番極楽寺へ向かう.買ったばかりの金剛杖を突きながら歩いてみるが、片方の手にしか持たないのでどうもバランスが悪い.まだリズミカルに杖を突いて歩くことができない.杖を突きながら歩くのがだんだん面倒になってきて、終いには杖の真ん中を手に持ったまま歩くようになった.


2番極楽寺まではほんの15分程の道のりだった.境内はとても明るく開放的でとても良く整備された庭園が印象的だった.境内には長命杉と名付けられた巨大な杉の木がそびえ立っていた.何でも弘法大師が植えた杉ということらしいが本当だろうか.


次の3番金泉寺へは県道の脇の側道のような道を歩いて行った.金泉寺の手前で遍路標識に従ってあぜ道のようなところを歩いていたらいきなり金泉寺の境内に着いてしまった.何だか裏口から入ったようですっきりしないので、一旦境内の外へ出てから改めて門から入り直した.


お参りを済ませ、境内にあった古い謂われのある井戸を覗いて見た.ちゃんと自分の顔が水面に映っている.ちょっと安心.


4番の大日寺へ向かう途中、道沿いにあった諏訪神社の階段で休憩を取っていると、一人二人と歩き遍路さんが通り過ぎて行く.霊山寺ではそれほど見かけなかったが、やはり結構な数の歩き遍路さんが居るようだ.とりあえず今夜の宿は押さえてあるが、果たしてこれから先宿の手配はできるのだろうか.


高速道路の下をくぐった所で昔ながらの地道の遍路道に入った.柔らかな土の感触がとても心地良い.愛染院というとても小さなお寺の門の前で犬が気持ちよさそうに寝そべっていた.犬もぽかぽかとした春の日射しが嬉しいのだろう.


大日寺で初めて団体さんと一緒になった.境内はとても賑やかで満開の桜がとても綺麗だった.団体さんが居なくなるのを待ってからゆっくりとお参りを済ませる.次の5番地蔵寺へ向かう途中、高速道路をくぐり抜けたあたりで道を間違えてしまった.戻るのも面倒なのでそのまま畑の中のあぜ道を突っ切って地蔵寺と思われる方向へ向けて歩いて行った.地蔵寺の境内も団体さんたちで溢れているようなので、団体さんたちが居なくなるまで暫く門の外で待つことにした.その間足にマメを作らないように靴を脱ぎ両足を日光に当てて乾かす. ようやく団体さんが居なくなったので、境内に入るとベンチでは茶髪のおねえさんと年配のおじさんがたばこを吸いながらベンチでおしゃべりをしていた.


別格1番 大山寺へ


地蔵寺を後にして今日の一番の難所とも言える大山寺へ向かった.地蔵寺を出たのが午後2時過ぎ、地蔵寺から標高450mの山の上の大山寺までは約6.5kmで、大山寺から今日の最終目的地の安楽寺までは約6.8km なので、約13Kmの山道をあと3時間でクリアしなければならないことになる.平地なら楽勝で行けるペースだが、山道ではそうも行かないだろう.どうやら朝の出発時間が遅すぎたようだ.まだお昼も食べていなかったが、大急ぎで大山寺へ向かった.


神宅小学校の前のY字路を右手に入り、山の麓の高速道路を目指す.高速道路の高架の下をくぐり抜け太山寺へ向かう車道を登っていくと、右手に遍路道の標識を見つけた.ここから車道を逸れ、山の斜面の果樹畑の中の遍路道を登って行く.この遍路道は地図にも載っており、分かり易い山道だった.暫く登ったところで再び車道に出た.遍路地図ではここから先は車道を延々と登っていくように経路が書かれていたが、途中で山道の入り口らしい所を見つけた.遍路標識のような物は何も立てられていなかったので入って行くべきかどうか迷ったが、思い切ってこの山道を通ってみることにした.


ふかふかの落ち葉が柔らかなクッションとなり、歩いていてとても気持ちが良い山道なのだが、いたるところで蜘蛛の巣の洗礼を受けた.金剛杖で蜘蛛の巣を払いながら登って行くが、蜘蛛の巣の張り具合から見ても、ここ数日は人が歩いた形跡はない.所々で倒木が道を塞いではいたが、とても歩きやすい山道だった.そのまま山道を登って行くと水道の揚水ポンプのような施設が現れた.何でこのような施設がこんな場所にポツンと建っているのか不思議だった.程なく山道が終わりとても見晴らしの良い場所に出た.


左手の先に農家のような建物が一軒建っている.先程のポンプ施設はこの農家のための揚水ポンプのようだ.右手に進むと車道と合流する場所に気象観測施設が建っていた.どうやらこの山道を選んだのは大正解だったようだ.多分この山道は昔の遍路道なのだろうが、遍路地図からは外されてしまったようだ.


インターネットなどの情報によると、この山道は草ぼうぼうで通ってはいけないということらしいが、私が歩いた時はそんなことはなく、とても快適な山道だったが、夏場は草が繁茂して通るのは困難かもしれない.


車道を登っていくと女性のお遍路さんとすれ違った.どうやらこの人も別格を歩いて廻っているようだ.私以外にも別格を廻る人が居たので何となく安心した.


程なく古びた山門が見えてきた.山門の屋根は青いビニールシートで覆われていて、まだ修理にも取りかかっていないようだった.山門ばかりではなく両端の仁王様も相当痛々しい姿をしている.ふと別格のお寺は貧乏で満足に伽藍の修理もできないのだろうかなどと余計な心配をしてしまった.


山門をくぐるとその先には古びた石段が続いていた.鬱蒼とした竹林の中を所々崩れた階段がこれでもかと言わんばかりに続いていた.思わず溜息をついてしまった.階段の手入れもされていないの所々で段が崩れ落ちていて、石自体もぐらついている.うっかりぐらついた段を踏んでしまうと石段ごと転落してしまいそうだ.


へろへろになりながらようやく境内までたどり着いたが、境内にはお遍路の姿どころか参拝客すら見あたらない.本堂の前のローソク立てには1本だけ火が灯っている.先程道ですれ違った女性が立てたものだろうか.本堂、大師堂とお参りを済ませ、ひっそり静まりかえった山寺の境内で、暫しの間佇んでいた.


もっとのんびりしていたい所だが、既にだいぶ日が傾いてきている.急がないと安楽寺に時間内にたどり着けなくなりそうだ.今夜は安楽寺の宿坊に泊まることになっているので、遅くても午後五時までには宿に入らないとまずそうだ.


午後4時過ぎ、誰も居ない境内を後にして元来た道を引き返した.先程登ってきた山道をリズム良く下りていく.足下の道は落ち葉でふかふかでとても気持ちが良いが、油断していると落ち葉に隠れた深い溝や石ころで足を取られそうになる.金剛杖で足下を突いて確かめながら軽快に山道を下りて行った.


順調に高速道路の下までは下りてきたが、ここから先の遍路道が良く分からない.これまでの遍路道では、道の要所要所にくどい程遍路シールを見かけたが、別格の遍路道には殆ど遍路標識が見あたらない.地図に載っていない細い道が沢山あって、どの道が遍路コースなのか良くわからない.遍路道保存協力会の遍路標識以外にも、建設省の『四国のみち』の標識が立てられている.こちらは如何にもお役所仕事といった感の標識だが、遍路地図とこの『四国のみち』の標識は必ずしも一致してないようだ.『四国のみち』の標識に従って歩いていたら、いつの間にか遍路地図の道から逸れてしまった.道が分からずに行ったり来たりを繰り返しているうちに、時間がどんどん過ぎていく.


ひとまず安楽寺の宿坊に電話をして少し遅れそうだという事を伝えておいた.宿坊の方の話では午後6時から夕食なので遅くてもそれまでには到着するようにして下さいと言われたが、まあ、どう見ても6時迄には何とか着けそうだ.


遍路地図にこだわっていると余計迷いそうなので、安楽寺のおおよその方向だけを頼りに、後は勘だけで突っ走ることにした.結構道に迷ってしまったが午後5時30分に何とか安楽寺に到着することができた.安楽寺の宿坊は鉄筋コンクリートの新しい建物で、ちょっとしたホテルのようだった.このお寺の山号は温泉山というちょっと変わった山号だったが、この宿坊のお風呂は文字通り温泉だった.


夕食の時間になり食堂に下りていくと、25名くらいの団体さんが既に着席していた.個人客には団体山とは別のテーブルが用意されており、この日は私も含めて6人ほど居るようだった.宿坊なので精進料理のような食事が出るのかと思っていたら、天ぷらを主体とした普通の宿で出されるような感じの食事だった.私の斜め前に座っていた女性から、『確か今日大山寺の道でお会いしましたよね』と話しかけられたので、よく見ると大山寺ですれ違った別格歩きの女性だった.彼女は北海道から来ていて、私と同じく歩きの通し打ちで別格も廻る予定だと言う.別格を廻る人は殆ど居ないようなので、同士ができたようで何となくホッとした.私の右隣の席には、地蔵寺の境内で見かけた茶髪のお姉さんが座っていた.左側の席には関東地方から来たという50代位のおばさんの二人連れだった.


今日は初日という事もあって、予定通りには行かなかったが、無事歩き通すことができたので少し安心した.


起点
 
経由地
 
終点
区間距離
累積距離
備考
1番 霊山寺
 
 
2番 極楽寺
1.4 km
1.4 km
 
2番 極楽寺
 
 
3番 金泉寺
2.6 km
4.0 km
 
3番 金泉寺
 
 
4番 大日寺
5.0 km
9.0 km
 
4番 大日寺
 
 
5番 地蔵寺
2.0 km
11.0 km
 
5番 地蔵寺
 
 
別1番 大山寺
6.5 km
17.5 km
 
別1番 大山寺
 
 
6番 安楽寺
6.8 km
24.3 km
 


宿泊先: 安楽寺 宿坊 【TEL 088-694-2046】
        朝夕2食付き  6,500円
        洗濯機・乾燥機有り(コイン式) 温泉、エレベーター有り

        安楽寺



この日の歩数: 37,371 歩 【累積歩数: 37,371 歩 】 歩行距離: 24.3 km 【累積歩行距離: 24.3 km 】
 
 

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別格1番 大山寺への遍路道について


  

【国土地理院の旧システムで作成した地図データのため、現在はこの地図は表示できません】
大山寺への遍路道

へんろみち保存協力会発行の地図(第8版 2007年2月発行)では、P.90 – 1 の大山寺へのルートとして途中から車道を上っていくようになっているが、山の中をショートカットする遍路道がある.


 

4/5と5/27にこの遍路道を歩いたが、特に歩行困難ということはなくとても歩きやすい地道の遍路道だった.夏場は草茫々かもしれないが、大山寺へは車道では無く、是非ともこの遍路道をお薦めする.ただ遍路道の標識が無いので、注意していないと入り口を見逃すかもしれない.国土地理院の地図に記載されている事からも、ちゃんとした山道(農作業道)なのだろう.


  

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