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30
2025
十二湖再訪
白神山地の十二湖の様子を視察してきた
白神山地の十二湖へはアカショウビンの様子を観察する目的で訪れたことがあったが、巨大なブナや広葉樹の森がとても素晴らしく、何度も訪れてみたくなる自然の宝庫だ.白神岳への登山と十二湖周辺でのトレッキングを組み合わせたトレイルを検討しているのだが、2022年の大雨の被害で走路の寸断やキャンプ場の閉鎖などの関係でまだ実現できていない.
今年こそは白神岳に登りたいと計画してはいるのだが、この辺りの唯一のキャンプ場である十二湖のリフレッシュ村が営業を再開する様子が見られないので、リフレッシュ村へと続く道路の復旧の様子や周辺の登山道の状況を確かめに現地へ実際に行ってみることにした.
今の季節は十二湖周辺ではアカショウビンを見ることが可能なので、アカショウビンについてもじっくりと観察したいところだが、土日を利用してのごく短い時間しか取れなかったので、今回はアカショウビンよりも周辺調査を優先させることにした.
今夏か秋の紅葉シーズンに白神山に登りたいので、それまでにリフレッシュ村の営業再開の見通しが立つのかどうか知りたかったが、残念ながら現在の道路の復旧状況では今年度中のリフレッシュ村の営業再開は難しそうだった.
日暮の池周辺の道路の路肩崩落は2年前に訪れた時の状態よりは修復工事が進んでおり、最初の土砂崩れ部分については道路の法面が修復されており、路面のアスファルト舗装もされていて車が通れそうな状態まで修復されていたのだが、その先がまだ修復途上で、まだ車が通行できるような状態ではなかった.
リフレッシュ村を運営している、アオーネ白神十二湖は、キャンプ場までマイカーで直接乗り入れることが出来ようになるまでは営業を再開する意思はないようだ.マイカーの直接乗り入れは出来なくても、奥十二湖駐車場に車を止めることができるので、キャンプ場まではそこから歩いて来れば良いだけの話なのだが...
リフレッシュ村の内部は営業は行っていない状態だったが、周辺をトレッキングするハイカー達がトイレを利用したり、四阿で休憩することは可能な状態だった.
十二湖から大崩れを経由して白神山頂へと続く十二湖コースは白神岳登頂のメインコースではないので、このコースを歩く人は殆ど居ないようだ.定期的に登山道の下草刈りが行われていれば問題なく歩けそうだが、下草刈りが行われていなければかなりの藪漕ぎが必要となりそうだ.
十二湖コース登山道に関する情報が殆どないので.十二湖ビジターセンタで登山道の状況を確認するつもりだったのだが、十二湖ビジターセンターにはスタッフは常駐しておらず、登山道の状況を聞くことができなかった.スタッフが常駐していないビジターセンターは初めての経験だ.
白神山地に限らず、世界遺産登録という超バブリーな状況で立派な箱物施設を作ったのは良いが、時間の経過とともに観光地としての魅力も衰えてしまい、廃墟施設だらけという光景はよくある話だ.これは世界遺産に限らず日本の典型的な観光産業が辿ってきたデスマーチだ.
前回は十二湖からの帰りに不老不死温泉に立ち寄ったが、今回は時間が無いので、日帰り入浴可能なアオーネの湯を利用することにしたが、宿泊客用の入浴施設としてはあまりにもお粗末な有様だった.浴室内の洗い場の全ての蛇口からは、まともに水やお湯が出て来ず、洗面桶にお湯を満たすのに何十秒も掛かるような状態だ.勿論シャワーヘッドから出てくるお湯もチョロチョロで、シャンプーを洗い流すのにも苦労する程だった.
山奥の一軒屋の温泉施設ならともかく、高級リゾート?施設でこんなしょぼい入浴施設は見たことがない.この日の宿泊料金はコテージタイプで4万円近くもするとんでもない値段だったが、宿泊客からのクレームはないのだろうか?浴場の洗い場のお湯や水道をケチらなければならないような悲惨な経営状況なのだろうか?
アオーネの湯から十二湖駅へ向かう際に、十二湖駅へ向かうショートカット道(勿論、国土地理院の地形図にも記載されている立派な車道)を歩いてみてびっくり仰天!!! 道路は何年間も放置されて草ぼうぼうで、どこが道なのかも判らないような悲惨な状態だった.
登山道では藪漕ぎをすることは何度となくあるが、まさかきちんとした車道で藪漕ぎをすることになるとは思いもよらなかった.あまりの藪の深さに身の危険を感じる程だった.こんな場所でマダニに刺されでもしたら一大事なので、十二湖駅まではアスファルトの車道を延々と遠回りする羽目になってしまった.折角アオーネの湯で汗を流してさっぱりしたのに、十二湖駅に着いたときにはまた汗でびっしょりになってしまった.
この放置された車道やアオーネの湯のケチケチ度合いからも、この施設の経営状況は破綻寸前なのではないかと思う.十二湖周辺は世界遺産の指定エリア内からは外れてはいるが、世間一般の認識は白神山地の世界遺産の一部と見なされている.十二湖周辺の自然環境は立派な自然遺産だが、この辺りの観光産業はどうみても世界負遺産でしかない.
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赤色の破線部分は全く手入れがされていないので通行することはできない