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2023
出石寺への遍路道(2023年4月)
金山出石寺への遍路道の状況(2023年4月)
大分以前に四国別格霊場の難所である、7番の金山出石寺、20番の大滝寺への遍路道に関する情報をこのブログで記事にしているが、既に15年が経過し情報が古くなってしまったので内容を更新したいと思っていた.今回、ひょんな事から出石寺を訪れる機会を得たので、遍路道の状況を調査してきた.
前回はGPSによる遍路道の正確なトレースができなかったので、今回はGPSを使って実際の遍路道をトレースすることにした。今回調査するルートは地蔵ルートと瀬田ルートの2つで、先ず、伊予平野駅から地蔵ルートで出石寺へ向かい、出石寺の宿坊で一泊した後、翌朝瀬田ルートで伊予平野駅まで戻り、大洲の街を観光してから帰ることにした。
今回の遍路道調査では、地元の大洲の方々やボランティアで参加いただいている方々の遍路道整備のおかげで、前回のような藪漕ぎやルートファインディングの必要は全くなく、要所要所に判り易い道しるべが設置されていて、山歩き初心者にも優しい遍路道となっていた。
地蔵ルート(上り)
Zoom Level: Bearing(Heading): Pitch: Grid Interval:
[ 地蔵ルートのGPSトラックデータ(GPX形式)]
https://y2works.net/trip/wp-content/uploads/GPS/Y2023/JizouRouteUp.gpx(Garmin Connect で高度補正済み)瀬田ルート(下り)
Zoom Level: Bearing(Heading): Pitch: Grid Interval:
2007年春にこの瀬田ルートで出石寺を訪れた時は、車道を大幅にショートカットする遍路道が見つからず、地獄の車道歩きを強いられて、とてもつらい経験をしたが、あのときの苦労は一体何だったのかというくらい、今回は歩き易い遍路道だった.
勿論、前回は上りで今回は下りという大きな違いがあるが、遍路標識が整備され、ショートカット遍路道を歩くことができたということが最大の要因だろう.
山歩き全般に言えることだが、上りよりも下りの方がコース取りの難易度が高いが、遍路道に関しても同じ事が言える.遍路標識は基本的に上り(順打ち方向)用に作られているため、下りや逆打ちの際にはこれらの標識を見落としてしまうことが多い.今回も下りで山道へのショートカットの入り口を見逃し、そのまま暫く車道を歩き続けてしまい、入り口を探しに車道を引き返してしまった.
今回の瀬田ルートの下りでは、所要時間が地蔵ルートの上りよりも余分に掛かってしまっている.道誤りによる引き返しや怪しい旧道の探検などで寄り道をしているとは言え、下りの方が遅いというのはちょっと不思議な気がする.
[ 瀬田ルートのGPSトラックデータ(GPX形式)]
https://y2works.net/trip/wp-content/uploads/GPS/Y2023/SetaRouteDown.gpx (Garmin Connect で高度補正済み)地蔵ルートよりも瀬田ルートの方が1kmぐらい距離が長いということと、アスファルトの車道歩きが長いというハンディキャップのために、思うように足取りが進まないのだろう.やはり、歩き遍路のコースとしては地蔵ルートが一番歩きやすく、かつ早く到達できる遍路道と言えるだろう.(地蔵ルートは途中農作業道が何度も複雑に交差しており、下りでは道を間違えやすいので、山歩きに不慣れな場合は下りは避けた方が良いかも)
平野地区の道路際の畑で蕗を栽培していたおばあちゃんから聞いた話では、今年の春は外国人のお遍路さんがいつになく増えていると言っていた.5月の連休で区切り打ちの歩き遍路さんが一気に増えてることになるが、歩き遍路が泊まるための宿泊施設が以前よりもかなり減っているようなので、歩き遍路は宿の確保が切実な問題となるだろう.
地蔵ルートと瀬田ルートをMapboxの地図システムを使って疑似的に3D表示してみた
国土地理院の地形図だけでは立体的な地形のイメージを掴むのは一般の人には難しいので、もう少し実際の地形のイメージを掴みやすいような表示の仕方ができないものかと思案していたら、Mapboxの地図システムを使うと3D的な地図の表示ができそうなので、とりあえず簡単なサンプルを作ってみた.(この地図の高度方向の縮尺は3Dの効果を強調するため実際の高度よりも誇張した表示となっているので、実際の地形はもう少し穏やかなので心配しないで下さい.)
初期状態ではビューアングルの変更や地図のローテーションができないが、画面右上の『磁針アイコンボタン』を使ってビューアングルや地図のローテションを行えるようになっている.このユーザインタフェースがちょっと癖があって分かり難いのが難点だが、『磁針アイコンボタン』を一回だけちょんとクリックすると、一般的な方位角0度(真北が上)でビューアングルが真上から見た状態にリセットされる.
『磁針アイコンボタン』をクリックした状態でそのまま地図の上へマウスを動かす(ドラッグする)と、マウスの動きに従ってビューアングルや地図のローテーションを自由に変更することが可能だ.
マウスの左ボタンを押した状態(通常のドラッグ操作)で地図の平行移動、右クリックを押した状態でドラッグするとチルト(ビュー角度)と地図の回転(ローテート)、スクロールホイール操作でズームイン・アウトが可能だ.
このMapboxのWEBマップは、”Mapbox GL JS” というフレームワークを使っているが、地図や画面の描画(レンダリング)をユーザ側の環境(WEBブラウザ側)で行っているので、性能の低いPCや時代遅れのブラウザ(WEB GLに対応している必要がある)では使い物にならないのが難点だ.
地蔵ルート(黄色)と瀬田ルート(ベージュ)を3D的に表示してみた
https://y2works.net/maps/ShussekijiTerrain3D.html (別ウインドウで表示)
https://y2works.net/maps/FlyTo.html (アニメーション版:別ウインドウで表示)
国土地理院が試験的に提供している『地理院地図 Vector』のベクタータイル情報をMapbox上に表示してみた.こちらの方は等高線ベースの線画が主体で陰影処理がなされていないので3D表示には向いていないが、2次元ベースのベクター地図データとして使う分にはそれなりに活用の方法がありそうだ.
地理院地図Vectorタイルをベース地図としてMapbox上に表示してみた
[ラインの色を変更: 地蔵ルート: 緑、瀬田ルート:青紫 ]
https://y2works.net/maps/GSIJVectorTile.html#14.5/33.51884/132.48463/-90.4/22 (別ウインドウで表示)