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2014
勝持寺(花の寺)
西行の足跡を尋ねて京都大原野へ
閑かならんと思いける頃、花見に人々まうで来れば 花見にと群れつつ人の来るのみぞ あたら桜の咎には有りける [山家集 春87]
この歌は西行が出家して間もなくの頃、京都の西の外れの大原野にある花の寺こと勝持寺にて詠んだ歌とされている.能の『西行桜』はこの歌をモチーフに作られていると言う.花の寺と呼ばれているだけあって、春には桜、秋には紅葉で境内が彩られる.大原野神社とこの花の寺はこの辺りの人気スポットのようで結構賑わっていた.午後の遅い時間帯ということもあり、境内が人で溢れかえっているということもなくのんびりと散策することができた.
桜の花に対する日本人の思い入れが強いのは西行さんの功罪だろうか...
花見ればそのいはれとはなけれども こころの内ぞ苦しかりける [山家集 春68]
夢中落花といふことを、前斎院にて人々読ける 春風の花を散らすと見る夢は 覚めても胸の騒ぐ成けり [山家集 春139]
勝持寺から大原野神社に立ち寄りそのまま南春日バス停からJR向日町駅に戻るつもりだったが、散歩がてら近くに有る業平さん所縁のお寺である十輪寺に行ってみることにした.国土地理院の地形図を見る限り農作業道のような細い道を辿って行けば近道ができそうなので、iPhoneの”FieldAccess”というアプリで1/25000地形図を確認しながら畑の作業道のような細い道を分け入って行く.
まだ工事中の高速道路沿いの側道を辿って行けば手っ取り早く辿り着けたようだが、まだ部分的にしか開通していないようなので勘を頼りに地図に載っていないような農作業道を彷徨いながら何とか十輪寺に辿り着いたが、既に5時を過ぎていて門は閉ざされていて中には入れなかった.残念だが今回は諦めてまた次回京都を訪れた際に十輪寺をお参りすることにしよう.何時になるかは分からないが、十輪寺は東海自然歩道のコース上に在るのでその際にも立ち寄ることができるだろう.
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