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2013
八ヶ岳南域(編笠山、権現岳、赤岳)
八ヶ岳連峰の南域の山々をちょっとだけ縦走
小淵沢駅→富士見平→編笠山→権現岳→赤岳→清里ハイランドパーク
前回の鳳凰三山を縦走した時に、北側に聳えていた八ヶ岳連峰の山々が印象的だったので、三連休を利用して連峰南端の山々を歩いて見ることにした.天気予報ではこの三連休は快晴が続くという事もあり、連休初日の土曜日の朝の新宿駅の中央線方面の特急列車は大きなザックを背負った人達で溢れかえっていた.7:00AM発のスーパーあずさ1号は通路まで人で一杯で、途中の立川や八王子からは乗車できないような状態だった.
当初の予定では小淵沢駅で降りてタクシーで観音平まで向かう予定だったが、駅前のタクシー乗り場には予め予約をしていた人達だけで長い行列ができていた.何時乗れるか分からないタクシーを待っていてもしょうがないので、登山口までのんびりトコトコ歩いて行くことにした.当初の予定ではキレット小屋辺りでテントを張る予定だったが、登山口まで2時間以上は掛かりそうなので青年小屋辺りでテントを張ることになりそうだ.
八ヶ岳の山々を正面に見ながら別荘地帯の静かな林の中を歩いているだけで心地良い.途中から県道618号を逸れハイキングコースへ入る.このハイキングコースを右側へ進むと観音平の駐車場へ行けるが、今回は左側の富士見平へ向かうコースを選んだ.富士見平までは緩やかでとても歩き易いコースが続いており、県道の蛇行したアスファルト道を歩くよりも短時間で富士見平へ到達可能だ.富士見平はその名の通り富士山を一望できる休憩ポイントで編笠山方面への登山口となっている.
雲海展望台という場所で観音平からの登山道と合流すると一気に賑やかになった.押手川という地点から編笠山までは苔むした岩場地帯が続きとても心地が良いが、斜面はかなりの傾斜がありテント泊装備の重装備で登るのは結構大変だった.編笠山の頂上からの展望は素晴らしく、南西方向には富士山、北西側には権現岳、赤岳そして阿弥陀岳などを望むことができる.頂上一帯はなだらかだったが大きな岩がゴロゴロしていて歩き難く、吹きさらしの強風に晒されるのでそんなに長居はできなかった.編笠山は小淵沢方面から気軽に登ることのできる日帰りハイキング向きの山のようだ.
編笠山から権現岳方向へちょっと下ったコル上に青年小屋が建てられており、小屋はちょっとオンボロだが大勢の宿泊客で賑わっていた.小屋の直ぐ横のテント場には既に十数張りのテントが設営されていて、条件の良さそうな場所はあまり残っていなかった.一晩中強風が吹き荒れかなり寒かったが、満天の星空を満喫できた.翌朝も絶好の天気だったが、まだ風は強いようだ.テントをたたみ青年小屋を後に権現岳へと向かう.てっきり手前に見えるピークが権現岳だと思っていたが、どうやらこれはギボシという名のピークで、その先にある権現小屋の直ぐ上が権現岳という事のようだ.何だかとても地味で目立つ標識も無いので肩すかしを食わされたような気になるが、南西方向にある尖ったピークの方が権現岳のピークに相応しいような気がする.権現岳から赤岳方面へは岩場の急斜面のアップダウンが続く.長さ30m以上はありそうな梯子の上り下りはスリリングで楽しいが、鎖や梯子が苦手な人はこのコースは避けた方が無難だろう.キレット小屋で昼食用の水を確保する予定だったが、水場は枯れていて補水することができなかった.当初の予定ではここでテントを張る予定だったが、下山時にキレット小屋でテントを張った2人連れに聞いたところ、テント場は狭く平坦な部分が少なく、水も雨水しか確保できなかったそうなので、青年小屋でテントを張ったのは正解だったようだ.
キレット小屋から赤岳山頂まではそれほど長くはないが、これでもかというくらい岩場の急登が続く.見上げると豆粒のような人が斜面に貼り付いているの見える.斜面のあまりの険しさに思わず溜息をついてしまう.長い急斜面が多いので、落石に注意しながら先行者や下りて来る人達と上手く間隔を開けながらゆっくり時間を掛けて登って行く.吹きさらしの尾根は風も強く大きなザックを背負っての稜線歩きは風にも気を使う.
真教寺尾根ルートと合流する竜頭峰という場所からは登山道が一気に賑やかになって、所々で登山道の渋滞が起きていた.清里方面や美濃戸口方面からの日帰り登山客が大勢列をなして登って来る.下山する人達と登って来る人達が狭い分岐ポイントでガチンコ状態でなかなか先へ進めない.山慣れしていない初心者が多くなかなかスムーズに流れて行かない.何とか赤岳の頂上へ着いたが、想像以上の人混みに唖然とさせられた.これでは落ち着いてランチタイムを取るどころの話ではない.
当初は根石岳か白駒池あたりでテントを張って麦草峠あたりまで縦走する事を考えて居たが、もの凄い人出に嫌気が差し歩く気が失せてしまった.日程を一日切り詰めそそくさと下山することにした.美濃戸口方面はもの凄い混雑になりそうなので、少しでも人が少なそうな真教寺尾根か県界尾根コースで清里方面へ下りることにした.真教寺尾根コースはまた大渋滞のコースを戻ることになるので、コースを戻る事無くそのまま下りる事ができる県界尾根コースで下山することにした.
清里ハイランドパーク(サンメドウズ清里)というスキー場まで下りればそこから先はピクニックバスで清里駅まで行けるようだ.県界尾根コースも下り始めはかなりの急斜面が続き、鎖場が何カ所も続くので結構大変だ.急斜面が過ぎれば後は緩やかな樹林帯の尾根歩きが続く.赤岳への日帰りハイキングコースとしては真教寺尾根とこの県界尾根コースは良い選択かも知れない.赤岳については八ヶ岳連峰の主峰ということ位しか知識がなく、初心者でも登れる簡単な山だと思っていたが、実際に登ってみると岩場の急登が沢山有り、結構スリリングで楽しい山だった.初心者レベルから中級にステップアップするのには格好の山かもしれない.サンメドウズ清里は大きなスキー場のロッジのようだが、スキーシーズン以外でもレストランやリフトが営業している清里のレジャースポットのようだ.バスが来るまでの間着替えを済ませ、ロッジで休憩させて貰った.ロッジでは翌日開催される八ヶ岳横断トレイルラン大会のエントリー手続きと前夜祭が催されていた.この大会は今年が第一回目の大会という事らしいが、日本でもトレイルランニングは本格的に根付いてきたのだろうか.
清里ハイランドパークから清里駅までは、サンフランシスコのケーブルカーを模したような如何にも観光地といった感じのバスだった.運賃表示には1日パスが600円としか表示されていないので、下車時に現金で払おうとしたがお金は要らないと言われたのでちょっと困惑したが、1日パスが前提の観光シャトルバスなので現金で運賃を取るような体制になっていないのだろう.清里がリゾート地だということは知っていたが、如何にも日本のリゾート地という感じでちょと居心地が悪かった.
小淵沢駅→富士見平→押手川→編笠山→青年小屋(テント泊)→権現岳→赤岳→(県界尾根)→清里ハイランドパーク
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