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2013
北岳
北岳周回
広河原 → 二俣 → 左俣 → 八本歯のコル → 北岳頂上 → 肩の小屋 → 白根御池 → 広河原
北岳は南アルプスの北部にある白峰三山の主峰で富士山に次いで標高の高い山であるが、山歩きに興味を持っている人で在れば一度は登ってみたい山だろう.富士山ほどではないにしてもとても人気のある山なので夏山のピークシーズンとも言えるお盆休みの連休中にこの山域に足を踏み入れるのはちょっと躊躇したが、珍しいくらいの絶好の晴れ間が続いている今のうちに出掛けることにした.
混雑のピークを避けるため日曜から平日の月曜日に掛けて北岳に登ったが、それでもやはり混雑は避けられなかった.今回は北岳の肩の小屋を事前に予約が取れたので、北岳からの御来光と雲海に浮かぶ富士山を目当てに北岳を目指すことにした.
甲府駅を午前4:20分に出発する山梨交通のバスで登山道の入口である広河原へ向かったが、2台のバスは満席だった.このバスに確実に乗るには4時前には甲府駅のバスターミナルに並んでおかないと座れない可能性がある.この朝一番のバスに乗れば最終バスの4:30PMまでたっぷり10時間程あるので楽勝で北岳の日帰りが可能だ.今回は御来光と雲海に浮かぶ富士山を眺めるのが目的なので、小屋の時間に合わせていつもよりのんびりと時間を掛けて頂上を目指すことにした.
今回泊まる小屋は標高約3,000mにある北岳肩の小屋という山小屋で定員150名収容というかなり大きな小屋だ.北岳にはもう一つ北岳山荘という南アルプス市営の大きな小屋があるが、こちらは少人数の場合は事前予約なしでも泊めて貰えるらしいが、定員オーバーの状態が予想されたので今回は肩の小屋の方に泊まることにした.肩の小屋は頂上に対して北側にあるので、白根御池コースか右俣コースで登るのが普通だが、今回は大樺沢から二俣を経て左俣コースを採り、八本歯のコル側から頂上を目指し肩の小屋まで下りるコースを選んだ.
バスが広河原に着くと既に乗り合いタクシーなどで広河原入りしていた人達でごった返していた.環境省の野呂川広河原インフォメーションセンターの案内カウンター前には北沢峠行きのバスチケットを購入するための行列ができていた.人が居なくなるまでインフォメーションセンター2階の休憩ホールで暫く時間を潰してから登山口へ向かう事にした.このインフォメーションセンターには公衆トイレや給水場、南アルプス周辺の自然環境や動植物などを紹介した展示物などがあるのでバス待ちの時間つぶしがてら立ち寄ってみるのが良いだろう.
大樺沢(おおかんばさわ)沿いのコースは先日までは雪渓に覆われていたようだが、このところの猛暑で大部分の雪渓は解けてしまったようだ.このコースは谷沢に沿って登って行くとても心地良いコースで、暑い日には打って付けのコースだ.二俣から左にコースを取り八本歯のコルと呼ばれる稜線の鞍部に出るコースなのだが、稜線のコルまではこれでもかという具合に梯子が続き嫌になってしまう.のんびりと時間を潰しながら稜線をトコトコと登って行くが、周辺は段々とガスに覆われるようになりあまり視界は良くなかった.
北岳の頂上に着くと肩の小屋側から登ってきたどこかのツアーの団体さんで急に頂上が賑やかになった.西側には南アルプスの女王的な存在の仙丈ヶ岳が見えている.北側方面へ目を向けると独特なピラミッド型をした甲斐駒ヶ岳の勇姿が、広河原を挟んだ向かい側には鳳凰三山と呼ばれている薬師岳・観音岳・地蔵ヶ岳が見えている.下界はガスって居て富士山は全く見えないが運が良ければ明日の朝には雲海に浮か富士山の勇姿が見られるだろう.
暫く頂上で時間を潰した後で肩の小屋へ向け山を下りた.肩の小屋に着くと先程頂上に居た団体のツアー客が小屋の前にたむろしていた.どうやらこの団体は今夜は肩の小屋に泊まるようだ.関西系のおばちゃん達が居るので騒々しいことになりそうだ.この日の小屋は満員ちょっと手前といった感じの混雑具合だった.夕日に沈む富士山を眺めてみたかったが生憎ガスっていて殆ど何も見えなかった.
翌朝は打って変わったようにガスが晴れ、雲海の上に富士山や八ヶ岳、それに北アルプスの山々までもくっきりと見えていた.御来光と富士山を一緒に見ることができるのも南アルプスならではだろう.この景色を見ることができただけで今回の山行は大満足だ.
広河原までの下りのコースは草スベリと呼ばれる高山植物が咲き乱れる急な斜面を下りて白根御池小屋に立ち寄る林間コースを選んだ.白根御池小屋でソフトクリームを食べたりして大分道草をしてしまったので時間が掛かってしまったが、肩の小屋から広河原まで2時間30分位を見込んで置けば良いだろう.白根御池小屋は想像以上に立派な小屋で美味しい水も飲み放題で水洗トイレまで完備していた.ここでのテント泊はさぞかし快適だろう.
南アルプスの山々に足を踏み入れるのは公共交通機関の問題などが有りそう簡単には訪れることはできないだろうが、これからもちょくちょく訪れてみようと思う.次回は甲斐駒ヶ岳から仙丈ヶ岳へかけての縦走を試みてみようかと思う.
今回は珍しくeTrex30のログが途中で大幅に狂ってしまった
下山コースGPSトラック(草すべりから白根御池経由)
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