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2012
富士山村山道
村山道を歩く
広見公園 〜 村山浅間神社
田子の浦海岸から歩き始めた村山道の続きで、前回の中断地点の富士市の広見公園から歩き始めることにした.この日は朝から晴天に恵まれ東海道線の車内からも富士山がくっきりと見えていた.富士駅からタクシーで広見公園へ向かう前にコンビニで水や食料を調達しようと駅前近辺を彷徨くが、駅前にはコンビニが全く見あたらなかった.仕方ないので駅ナカの小さな売店でおにぎりを買い求める.
この日は広見公園から新六合目まで踏破する予定だったが、朝家を出るのが遅くなり歩き始めるのが当初の予定よりも一時間以上遅くなってしまった.富士宮口新五合目のハイキングバスの出発時間は6:00PMなのでそれまでには到着できる見込みだが、今は日没が早いので無理をせずに、富士スカイラインで打ち止めにする事も予定しておくことにした.
富士山へ向かうに従って住宅地から畑作地帯へと変わって行く.新しく作られた第二東名高速のバイパス道路のために村山道がスッパリと分断されてしまっている.ガラガラの第二東名高速の上を跨ぐと辺りは一面お茶畑が広がっている.見慣れない真っ赤な農作業機械がお茶畑の畝に沿って動き回っている.畝の幅が機械の幅に合わせるように作ってあり瞬く間に新芽を刈り取っていく.現代の茶摘みの光景は何とも味気ない.
道が二股に分かれる要所要所にむらやま道の道しるべが置かれているが、溶岩の岩に刻まれた文字は風化してしまって判読し難い.広見公園から二時間半ほどで村山浅間神社に到着した.村山浅間神社は村山修験道の拠点として歴史のある神社らしく、神仏習合の面影を濃く残すちょっと変わった神社だった.
村山道を田子の浦海岸から歩く場合は、1日目を田子の浦海岸〜村山浅間神社、2日目を村山浅間神社〜新六合目(健脚であれば頂上まで行けるかも)で区切るのが無難な行程だろう.村山浅間神社の周辺の宿泊施設としては村山ジャンボというスポーツ系の合宿施設があるので、ここで宿泊できれば海抜0メートルからの富士登山も大部計画しやすくなる.但し夏場以外は団体客しか泊めないようなので、事前に村山ジャンボに問い合わせをしておく必要がある.神社の周辺には小さな公園などもあるので、近所の人に許可を取った上でテントを張ることもできるだろう.
村山浅間神社 〜 富士山スカイライン交差(〜水ヶ塚駐車場)
村山神社から先は林道と山道になるが、ここから先は登山経験が無いとちょっと厳しいかもしれない.一般の登山道のように標識やガイドロープの様な物はないので、自分で地図や標識を見ながら登山道を判断するしかない.要所要所に赤やピンクのマーキングが浸けられてはいるが、踏跡も曖昧なのでルートファインディング能力が要求される.正規の登山道しか歩いたことの無い人には勧められるようなコースではないので注意して欲しい.
今の季節は蜘蛛さんが一生懸命獲物獲得に精を出しているので、登山道の至る所で蜘蛛の巣の洗礼を受けることになった.蜘蛛が嫌いな人はこのコースには足を踏み入れると悲惨な目に遭うだろう.古くからの富士登山道であったという歴史的な価値はあるだろうが、海抜0メートルから歩くということに拘りがないかぎり、歩いていてそれほど楽しいコースでもないというのが私の実感である.中宮八幡堂の先の一面苔だらけの倒木地帯はとても居心地の良いお薦めの場所かもしれない.
この日は富士山スカイラインに出た時点で午後3時半になってしまったので、無理をせずにここでエスケープしてスカイラインをそのまま水ヶ塚駐車場へ向かった.16:15発の御殿場駅行きのハイキングバスまで40分しかないので、急いで水ヶ塚駐車場へ向かうが思ったようにスピードがでない.何とか16:15発のバスに乗ることができ、いつもの御殿場線経由で早めに帰宅することができた.
御殿場駅〜御殿場口五合目〜水ヶ塚駐車場のハイキングバスの運賃体系はとてもおかしな事になっている.今年からこのバス路線の御殿場口五合目から水ヶ塚の間の延長運行が始まったのだが、夏期のマイカー規制期間中のシャトルバスの運賃をそのまま適用して御殿場口五合目〜水ヶ塚駐車場の区間運賃を500円とせざる負えなかったようだ.水ヶ塚駐車場から御殿場駅行きに乗車した場合、御殿場口五合目までは500円なのだが、その次の太郎坊で降りると何と390円に値下がりするという摩訶不思議な事になっている.
マイカー規制期間中のシャトルバスの運賃を500円としてぼったくって認可を受けていた手前、御殿場口五合目〜水ヶ塚駐車場の区間運賃を通常の金額に設定することができなかったのだろう.水ヶ塚駐車場〜太郎坊の運賃が390円ということは御殿場口五合目〜水ヶ塚駐車場間の運賃は250〜300円位が真っ当な値段と言うことだろう.富士急バスグループでは夏期の富士登山バスが一番の稼ぎ頭なのだろうが、もう少し利用者の事を考えて混雑時には臨時便を出すなり、運賃を下げるなりしてサービスを改善すべきだ.
富士山スカイラインから富士宮口新六合目を経て頂上までの道のりがまだ残っているが、頂上付近はそろそろ積雪の季節なので今シーズン中に制覇するのは難しそうだ.
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