Sunset Tokyo


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2012

Garmin GPS用マップソース互換地図の作成 #1

マップソース互換地図について


GPSナビやGISアプリケーションソフトウェアなどで使われているデジタル地図は大きく分けると、ラスターイメージタイプとベクタータイプの二種類あることはご存じのことと思う.前回紹介したカスタムマップの製作記事はラスターイメージタイプの地図をGarminのハンディータイプGPSで使用する方法を紹介したものである.


今回はもう一方のベクタータイプの地図をGarminのGPSで取り扱う方法について説明しようと思う.GarminのGPS用として市販されているGarmin純製の地図やサードパーティー製の地図は所謂マップソース互換地図と呼ばれているもので、等高線や道路などの線に関する情報が一連の数値の列として記録されており、GPS本体のプログラムがそれらの数値データから地図の縮尺に応じた適切な線情報を画面に描画(ラスタライズ)する作業が行われている.


ラスタータイプの地図では地図の縮尺を拡大・縮小するとギザギザが目立ったり、線や文字が潰れて見えなくなってしまうがベクター方式のマップは画面の解像度に合わせて適切な描画が行われるため、地図の拡大・縮小に対して非常に有利だと言えるが、難点としてそれなりのCPUの処理能力が要求される.


マップソース互換地図はGPSの小さな画面でもそこそこ綺麗に表示されるように工夫されており、GPS用の地図としては理想的なのだが如何せん値段が高すぎる.1万数千円〜2万数千円もするのではおいそれとは手が出せない.しかもGarmin純正地図は登録したGPS本体(PC)でしか使えないという嫌らしいライセンス形態が採られている.


そこで私のような貧乏トレッカーは英語版のGarmin GPS本体に、自作のマップソース互換地図を作成して使用するという苦肉の策を採らざる負えないのである.


という訳で今回は我らが国土地理院提供の基盤地図情報を基に、マップソース互換のベクター地図を作成してGarmin GPSに載せる方法を簡単に紹介しようと思う.


国土地理院の基盤地図情報について


これまでにこのブログや “y2blog” などでも何度も採り上げてきた国土地理院の『基盤地図情報』であるが、正直私も含めて『基盤地図情報』というものの定義自体が曖昧で何だか釈然としないという人が多いのではないだろうか.これまでは『電子国土』のWEBマップシステムやそこで使われている背景地図データなどを使ってきたので、『電子国土基本図(地図情報)』と呼ばれているラスターイメージベースの地図データを主に使用していた.


山屋さんであれば『電子国土基本図(地図情報)』に関しては多少なりとも触れる機会は多いと思うが、国土地理院の『基盤地図情報』に関してはその実態を知る人は殆ど居ないだろう.実のところ私にも良く分からない.GISの専門家や土木・建築・防災・測量や自治体などのその筋に関わる人達でなければあまり触れる機会はないかもしれない.


私は専門家ではないので良く分からないが、恐らく電子国土基本図(地図情報)はこの『基盤地図情報』のベクトルデータを基に特定の縮尺でラスタライズして提供されているもののようだ.国土地理院の『基盤地図情報』に関しての詳細は、 ”基盤地図情報とは”にでも目を通して頂くことにして、『基盤地図情報』の特徴を一言で挙げると、
 
   ・インターネットによる無償で提供される、誰でも使用できるGISのベースマップ(白地図)
 
  だそうだ.


”無償で提供され誰でも使用できる”ということだが、『基盤地図情報』を利用する場合は測量法に基づく基本測量の測量成果の複製・使用承認申請が必要となるケースかどうか自分で判断する必要がある.測量成果の複製・使用承認申請手続きについては、『測量成果の複製・使用』をご覧頂きたい.今回の使用目的は、個人所有のGPSナビに地図データをコピーして画面に表示するだけなので、『私的に利用』の範疇であり当然ながら測量成果の複製・使用承認申請手続きは必要ない.


基盤地図情報のダウンロード


基盤地図情報をダウンロードするには、先ず国土地理院の『基盤地図情報』のダウンロードページにアクセスし、ユーザIDを取得する必要がある.以前は利用者登録をせずともダウンロードできたが、現在は利用者登録制になっている.自分が欲しいエリアの地図データを入手すれば良いが、取り出すエリアは基本的に都道府県単位のようだ.


ダウンロード可能なデータの項目として、”海岸線”, “行政区画の境界線及び代表点”, “道路縁”, “軌道の中心線”、”標高点(数値標高モデルを除く)”, “水涯線”, “建築物の外周線” の8つの項目があるが、今回は地形図の等高線情報のみを取得することにする.自分の目的に応じて必要な項目を適宜追加すれば良いだろう.


ダウンロードされたZIPファイル(神奈川県の場合は3つに分割されている)を解凍し、XML形式で記述された標高点データファイルを1つのフォルダーに纏めておくと良いだろう.ファイルの中身はXML形式のテキストデータなのでどのような内容なのか一度目を通しておくと良いだろう.XMLデータなのに相変わらずエンコーディングが”Shift-JIS” なのは困りものだ.XMLデータの中身については、XMLのスキーマ定義ファイルが公開されているので、自分で変換プログラムでも作成する場合は目を通して置く必要があるだろう.


【一般のテキストエディタではファイルが巨大(約94MB)過ぎて開けないので、UNIX系のコマンドを使ってコンソールベースで覗いて見るのが現実的かも.Mac OS X の場合は Finderの”Quick Look” で覗くことができそう.】


 
Download Service Page
基盤地図情報 ダウンロードページ

Download Menu
基盤地図情報 縮尺レベル25000 (JPGIS)形式 を選択する

Select Area And Items
ここでは神奈川県の標高点データを取り出す

Download Item List
神奈川県の標高点データの場合3つのZIPファイルで提供される

Downloaded XML Files
解凍したXMLデータファイルを1つのフォルダーに纏めておく





	
		基盤地図情報ダウンロードデータ (JPGIS版)
		
			2008-03-31
			001
		
	
	
		基盤地図情報メタデータ ID=fmdid:0-8
		
			2008-03-31
			001
		
	
	
		
			JPGIS 附属書8 XMLに基づく符号化規則
			
				2008-03-31
				001
			
		
		
		
	



fgoid:10-00100-7-9-23553449


2008-03-31




2999-12-31




2009-06-30


25000
0-8


+



linear



35.279352917 139.623393972




35.279342222 139.62343




35.279319722 139.623498611




35.279296944 139.623567222




35.279229444 139.623670278



...

“標高点(数値標高モデルを除く)” XMLデータの中身(一部抜粋)

ここまでの作業で必要な基盤地図データの入手はできたが、最終的なマップソース互換の地図を作成するにはまだやらなければならない作業がいっぱいある.基盤地図データのXMLデータを直接マップソース互換形式の地図形式(imgファイル)に変換するツールはないので、一旦別な形式に変換してから再度最終的なimgファイルに変換するという作業が必要になる.


必要なツールや手順は複雑なので、今後数回に分けてマップソース互換地図の作成方法を紹介することにする.


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