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08
2011
蛭ヶ岳周回トレイル
宮ヶ瀬から早戸大滝を経て蛭ヶ岳へ
早戸大滝は日本の滝100選に選ばれている名瀑ではあるが、丹沢の奥深くにあり一般の観光客では手に負えない困難な場所にあるためここを訪れたことのある人はかなり少ないと言えるだろう.連休の最後の日ではあったが天気にも恵まれたので早戸大滝へ出掛けてみることにした.車があればそれほど困難な場所ではないが、公共交通機関しか使えないので宮ヶ瀬湖畔から延々と林道を歩かなければならなかった.
早戸川の中域には巨大な管理釣り場が設けられていて大勢の釣り客で賑わっていたが、上からみていると石の堰で区切られた沢山の区画に養殖された魚が黒い群れとなって泳いでいるのが見える.こんな環境で魚釣りをやっても面白くないと思うのは私だけだろうか...
目指す早戸大滝はまだまだ先で延々と退屈な綺麗にアスファルト舗装された林道を上って行かなければならない.立派すぎる林道に川を駄目にする巨大コンクリートの砂防堰堤が痛々しかった.本間橋に廃業してしまった丹沢観光センターの建物が綺麗な状態で残っていた.この先の魚止橋の先までは車で入ってくることが可能だが、そこから先はダートの林道で崖崩れが激しく車は一切入れない.
林道を離れ早戸大滝へ向かう登山道へ入るが、ここから先は登山経験がないとかなり危険なので一般の観光客は早戸大滝を訪れるのは止めた方が良いだろう.沢沿いの道なき道を溯行すること1時間ちょっとでようやく早戸大滝に到着した.滝を見物してからランチブレークをとった後、大滝新道と呼ばれるマニアックな人達だけに知られたルートを登って丹沢主脈の尾根へ出、蛭ヶ岳、姫次を経て大平分岐から早戸川へ下りて宮ヶ瀬に戻ることにした.
大滝新道は想像していたよりも登り易いルートだったが、やはりこのルートは一般の登山客が安易に利用するようなコースではないので、今後も正規の登山道として地図に載ることはないだろう.主脈コースの尾根までは1時間30分ほどだったが主脈コースの尾根近辺は鹿柵が張り巡らされていてかなり迂回させられた.
前回このコースを歩いた時はあまり視界は良くなかったが、今回は遠くまで見通すことができた.蛭ヶ岳の頂上付近からは宮ヶ瀬ダムがハッキリと見渡すことができた.もっとゆっくりしていたかったがこれからまだ長丁場の下山が待っているので少し休憩した後姫次方面へ下りて行った.頂上近辺の登山道はかなり荒れており、土砂が流出してしまった丸太の階段による障害物競走状態だった.途中の地蔵平や原小屋平付近のブナ林はまだ新芽が出たばかりで新緑の季節はもう少し先のようだ.
姫次から先はとても歩き易い緩やかな下りの柔らかな土道が続く.大平の水場で水を補給してから大平へ向けて一気に下って行く.登山道は整備されていて歩き易いが傾斜はかなりきつい.大平からは林道が通じているので林道経由で宮ヶ瀬方面へ戻ることができるが遠回りなので、大平から早戸川まで更に下ることにした.
この道は標識がないので入口がとても分かり難いがそれほど困難な道ではなかった.ただ最後に早戸川を徒渉しなければならないので一般向けのコースではない.靴を脱いで川に入るが水はまだとても冷たかった.この日の川の流量は少なかったのでまだ渡ることができたが、もう少し流量が多くなるとこの川を渡ることは困難だろう.
ようやく早戸林道まで戻ってきたものの、ここから先がまた長かった.早戸川の管理釣り場に着く頃には日が暮れてしまいそこから先は真っ暗な林道をライトの明かりを頼りに誰も通ることのない寂しい林道を延々と歩かなければならなかった.宮ヶ瀬から徒歩での日帰りの蛭ヶ岳周回コースはやはりちょっと無理があるようだ.
5月の下旬になれば丹沢三峰近辺はシロヤシオの花が見事だと言うので、また近いうちにこのあたりを徘徊しようと思う.
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