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2010
富士山・吉田口遊歩道
富士山再発見の道
今年の夏の記録的な猛暑も峠を越え少しは涼しくなってきたので、久しぶりに山歩きをすることにした.9月中旬過ぎとは言え地上はまだ暑いので、涼しそうな富士山へ向かうことにした.富士登山の馬鹿騒ぎもそろそろ一段落した頃なので、今回は富士吉田ルートを歩いて見ることにした.
富士吉田ルートと言っても5合目から登るのではなく、昔ながらの登山道を麓の浅間神社からとことこ歩いて登る本当の富士登山である.今回歩いた富士吉田遊歩道は富士山再発見の道と名付けられているように、江戸時代からの富士講詣での歴史のある由緒正しき富士登山道である.
この日は体調が今イチで足取りが非常に重く気が乗らない一日だったので、タラタラと登っていたのだが、そのおかげで2合目の御室浅間神社で非常に珍しい神事に立ち会うことができた.この神社が60年毎に行っていると言う神様の衣替えの儀式を見物することができた.
体調と天候が良ければ一気に頂上を目指すことも考えたが、六合目より上は完全に雲の中だったので、頂上を目指すのは諦めて今回は麓から5合目までの往復に留めておくことにした.
吉田口遊歩道を登る人はとても少ないので自分のペースでのんびり登ることができて良いのだが、登山道の至る所に丸太で組まれた土砂流出防止用の砂防ダムのような物(雨水浸透升?)が設置されていたのが残念だった.まるで陸上の障害物競走をやらされているような気になってしまった.あまり人が通らない昔ながらの由緒ある登山道なのでなるべく手を加えないでそのままの状態で残しておいて欲しいものだ.
吉田口遊歩道経由で頂上を目指す場合は佐藤小屋からそのまま6合目まで直登するコースを取るが、今回は佐藤小屋から横に逸れて富士スバルラインの登山口まで行ってみることにした.佐藤小屋は富士登山期間だけの臨時営業の登山小屋ではなく、昔から登山関係者の間で親しまれてきた通年営業の本格的な山小屋なので是非とも利用してみたかったが、また次の機会に利用させて貰うことにしようと思う.
登山シーズンを過ぎたとは言え9月の三連休初日ということもあり、今年最後の富士登山を目指す人達や観光客で富士スバルラインの終点の5合目はごった返していた.あまりの人混みにいたたまれなくなってそそくさと元来た道を引き返すことにした.
馬返しから5合目までは普通の登山感覚で登ることができるが、浅間神社と馬返しの間は単調な緩い退屈な道が延々と続き結構辛かった.道もこぶし大の石ころがごろごろしていて思ったより歩き難かった.歴史のある由緒正しい登山道だと言うので、風情のある楽しい登山道を期待していたのだが正直言って少々期待外れだった.
浅間神社を起点として頂上を目指す場合は、途中の山小屋で一泊するのが一番無難な選択だろう.夕方から登り始めれば夜明け前には山頂に辿り着けるかもしれないが、超ハードトレイルになってしまうので止めた方が良さそうだ.
吉田口の馬返しの標高が御殿場口新五合目とほぼ同じなので、馬返しを起点とした場合は十分に日帰り圏内と言えるが、馬返しまでの公共交通機関がないのでタクシーかマイカーで乗り入れる必要があるだろう.御殿場口よりは日陰も多く歩き易い道なので御殿場口を日帰り往復するよりは圧倒的に楽だろう.
富士スバルラインが出来てからはすっかり寂れて殆ど忘れられてしまった登山道であるが、本当の意味で富士登山を楽しみたい方にはお薦めのコースだと思う.スバルライン5合目の異様な光景や吉田口登山道の異常なまでの混雑を目の当たりにするとやはり富士スバルラインは廃止すべきだと思う.
【追記】2011年夏 馬返しまでの登山バスが運行されます
近年の富士登山ブームの馬鹿騒ぎぶりをよそに、昔ながらに麓からゆっくり歩いて登る富士登山が見直されてきているようです.今年(2011年)の夏から富士急バスが富士吉田駅(富士山駅に改名)から北口本宮浅間神社を経由して馬返しまで往復する『馬返しバス』を運行するようです.
北口本宮浅間神社から歩くのはかなり辛いですが、馬返しまでバスで行けるようになると大分時間を短縮できるので、少しは登り易くなりますね.
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