鳳凰三山 観音岳より富士山を望む


Date/Time: 2013:09:29 11:27:13
Camera: RICOH
Model: GR DIGITAL 4
Exporsure Time: 1/800
FNumber: 6.3
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4

06

2007

4/6 7番十楽寺から11番藤井寺へ

7番十楽寺から11番藤井寺へ


安楽寺の境内 7番 十楽寺 熊谷寺参道の桜並木 熊谷寺 多宝塔 熊谷寺の山門 8番 熊谷寺 法輪寺の山門 切幡寺の長い階段 切幡寺の境内 切幡寺の山門 吉野川の堤防からの眺め 菜の花の細道を行く 潜水橋は欄干が無い 川島橋(潜水橋) お遍路さんが行く 11番 藤井寺 焼山寺へ向かう遍路道 藤井寺の本堂


朝6時に本堂にてお勤めが行われた.殆どの宿坊では朝にお勤めと呼ばれる朝の勤行がある.勤行と言ってもそのお寺の住職がお経をあげているのを黙って聞いていることが主なお勤めで、せいぜい般若心経を唱えたり焼香をする程度である.


読経が終わり、ご住職の講話の後で最後に全員で般若心経と、このお寺のご本尊である薬師如来の真言『オンコロコロセンダリマトウギソワカ』を唱える事になった.真言を3回ぐらい唱えて終わるのだろうと思っていたら、4回、5回と続いて行く.そのうち終わるだろうと思いつつ声を合わせていたが、7回、8回を過ぎても一向に終わる気配が無い.一体何回繰り返すのだろうかと訝しがっていると、読経の音頭を取っている住職が手元で何かを動かしていることに気が付いた.住職の手元を良く見ると、一回唱える毎に数珠玉のような物を一個づつ順に送っていた.いうことは数珠玉の数だけ繰り返さねばならないのか... とても最後まで唱和する気にもなれず、惚けっとしながら只ひたすら唱和が終わるのを待っていた.


『反復』→ 思考停止 → 『洗脳』(染脳かもしれない)

などと余計な事を考えてしまった.お遍路で只ひたすら歩くという動作も一種の『洗脳』なのかもしれない.


朝のお勤めの後、朝食を済ませ午前8時過ぎに安楽寺を後にして次の7番十楽寺へ向かう.おばさん2人組はまだ出発していないようだったが、他の人達はもうとっくに出発してしまったようだ.


十楽寺は安楽寺のほんの少し先にあった.十楽寺の境内で昨日の外人さん夫婦と出会った.ご夫婦が私の事を覚えていたのか、『オハヨウ ゴザイマス』と挨拶をしてくれた.昨夜はこの十楽寺の宿坊に泊まったと言っていた.十楽寺の宿坊も新しくて立派なホテルのような建物だった.


8番熊谷寺へ向かう途中、畑の中を通る道の途中に大きな山門が建っていて、その周囲には見事な桜が咲き誇っていた.桜並木の中をお遍路さん達が歩いて行く.どこかの観光パンフレットで見たようなとても絵になる光景だった.


熊谷寺の本堂は、この山門からかなり離れた場所にあった.境内はどこかの団体さんたちでとても賑やかだった. 本堂、大師堂とお参りを済ませ、駐車場の横にあった休憩所で一休みしながら今夜の宿を探すことにした.


4月始めは皆一斉に徳島から歩き始めるので、歩き遍路の人達が団子状になって移動しているので、宿の確保が結構大変なようだ.昨夜一緒になった歩きの女性達は既に3~4日先まで宿を押さえてあると言っていた.今夜の宿はまだ決めていなかったが、当日予約では運良くキャンセルでも出ない限り予約するのは無理なようだ.電話で宿の予約をするのは面倒かつ不慣れなので、普通の遍路宿は諦めて鴨島駅前のビジネスホテルを予約することにした.


ビジネスホテルであれば『楽天』のような携帯のサイトから簡単に予約できるので、何度も電話を掛けずに済むのでとても楽である.とりあえず今夜の宿が確保できたのでホッとした.


熊谷寺を出て暫くすると田んぼの中にポツンと小さなお寺が見えてきた.どうやらあれが9番の法輪寺のようだ.こぢんまりとしたお寺だったが、境内は多くのお遍路さんでごった返していた.先程の団体さんのようだった.札所の間の距離が短い場合には、バスの団体さんより歩き遍路の方がスムースに札所を廻れるようだ.


法輪寺の境内にはテント小屋のような休憩所が設けられていた.ふと休憩所の方へ目を向けると、昨夜安楽寺の宿坊で一緒だった北海道の女性が休んで居た.お参りを済ませるとちょうど彼女も次の札所へ向かうところだったので、一緒に歩くことにした.話を聞くと彼女は普段山登りをやっているようで、かなりのアウトドア派らしかった.


女性の歩き遍路で別格まで歩いて廻る人は殆ど居ないようだが、彼女なら別格も歩いて廻れそうだ.何故別格も歩いて廻る気になったのか彼女に尋ねてみたら、普通の八十八カ所参りじゃあまりにも普通すぎて面白くなさそうだからと言っていた.なるほどと納得してしまった.彼女も私と同じような理由で別格を廻ることにしたようだ.彼女の歩くペースは私と同じくらいなので、一緒に歩いていても苦にならない.履いている靴のことやアウトドア関係の話をしながら暫く一緒に歩いた.


私たちの100m位先を、例の外人さんのご夫婦が歩いているのが見えた.私たちは直ぐに追いつくだろうと思っていたが、なかなか距離が縮まらない.どうやらこのご夫婦の歩くペースが私たちと殆ど一緒のようだ.歩く姿勢にも無駄が無く、このご夫婦もかなりのトレッキング経験があるようだ.



切幡寺の参道沿いには旅館や土産物屋さん、遍路用品のお店などが並んでいた.無理に1番の霊山寺でお遍路用品を買わずに、ここで本当に必要な物だけを買いそろえる方が良いかもしれない. 切幡寺は333段の石段で有名なお寺であるが、実際に階段を昇ってみると思ったよりもきつくなかったが、最後まで一気に昇るとさすがに息が切れた.今は階段を昇らずとも境内までは車で行けるようだが、昔は皆階段を昇っていったのだろう.


ここから今日の最終目的地である藤井寺までは約9.3kmなので、ゆっくり歩いても2時間もかからないだろう.早く着きすぎても困るので、ここの境内でのんびり暇を潰して時間調整をすることにした.お遍路姿ではない一般の参拝客の女性の二人連れの方からおこわのお弁当を頂いた.ちょうどお昼時で行動食としても良さそうなので、お弁当を食べながらのんびり時間を潰した.


午後1時頃、切幡寺の境内を後にして階段を下りて行くと、途中に真新しいピカピカの山門が建てられていた.建てられたばかりでまだ仁王様は安置されていなかった.ひょっとして安置される仁王様もピカピカなのだろうか.それとも元々あった仁王様を安置するのだろうか.古い仁王様ではどう考えてもこのピカピカの山門とはミスマッチだ.この山門に安置される仁王様のことがとても気になってしまった.


街中の舗装道路を30〜40分くらい歩いたところで吉野川の堤防とおぼしき場所に出た.堤防の土手の上から辺りを見廻してみると、車が1台しか通れないような細い舗装された道が向こうの林の方まで続いている.この道路の先には潜水橋のようなコンクリート製の橋が架かっているが、付近に水が流れている気配は全くない.水が脈々と流れる雄大な吉野川の光景を思い描いていたので、何となく肩すかしを食らった気分だった. どうやらここはまだ吉野川の本流ではないようだ.対岸の山裾まではまだかなり距離があり少し霞んでいる.明日登る予定の焼山寺を探して見るが、この距離では焼山寺がどこにあるのか判らなかった.


潜水橋の上の細い道を歩いていると農作業のトラクターや軽トラが後ろから次々とやってくる.道が細いのでその度に待避所で車両が通り過ぎるのを待たなければならない.のんびり歩く事も出来ずちょっと苛つくが農作業用の道路のようなので仕方がない.


林の中を抜けるとその先に広がっていたのは吉野川の本流ではなく広大な畑であった.あまりに広すぎてここがとても川の中州であるとはちょと信じ難かった.15分ぐらいは中州の畑の中を歩いていたであろうか、ようやく本流に架かる橋のようなものが見えてきた.どうやら今度はちゃんと水も流れている.やっと本物の吉野川に巡り会えたのが嬉しくて、小走りで橋まで駆け寄って行った.


目の前の橋は確かに雑誌やポスターなどで良く見かける吉野川の潜水橋だ.想像していたより遙かに頑強で頼もしそうな橋だ.今は渇水で吉野川はおとなしいが、一旦暴れ出すとこの橋の上を濁流が流れていくらしい.ちょっと想像し難い光景だが、橋に架かっているビニールの残骸などを見ると暴れ川なのだと実感する.橋の上から下の川の中を覗き込んでみる.水はそれほど透明ではなかったが欄干がないのでちょとしたスリルを味わえる.川岸には小舟が数隻つながれていた.今でもまだ漁で生計を営んでいる人達が居るのだろうか.


橋を渡り対岸の土手で暫し休憩をした.何かの観光ポスターで見かけたような気がするが、お遍路が一人この橋をポツンと歩いて渡っている光景が印象に残っている.何となくこのシーンを写真に納めたくなったので、別なお遍路さんがこの橋の上を歩いて来るのを待つことにした.


暫く河原で暇を潰した後、11番藤井寺へ向かったが、暫くは歩道もない県道が続いた.金剛杖を突きながら調子よく歩いていたら、道端の排水溝の蓋に杖の先を取られてしまい思わず転びそうになった.杖が折れなかったので良かったが、街中では車だけではなく、排水溝の蓋にも気を配らなければならなかった.


午後3時過ぎ、ようやく藤井寺に到着したが、ここでも狭い境内はお遍路さんたちで賑わっていた.お参りを済ませ境内で休んでいると、昨晩安楽寺の宿坊で一緒だったおばさん2人組が来ていた.私の方が先に安楽寺を出発したのに、一帯何処で追い越されたのかと不思議に思っていたら、おばさん達はバスを使って移動していたようだ.おばさん達に本堂の天井に描かれている龍の絵の事を教えて貰った.本堂でお参りをしている時は全く気付かなかったが、確かに本堂の天井に見事な龍の絵が描かれていた.


まだ4時前だったが、明日の焼山寺越えに備えて早めに今夜の宿泊先の鴨島駅にあるビジネスホテルに向かうことにした.北海道から来ているアウトドア派の彼女は藤井寺の少し下にある旅館吉野に泊まるということなので、そこまで一緒することにした.途中道端にあった蜜柑の木を見て、携帯で蜜柑が実っている写真を珍しそうに撮っていた.今日のブログのネタにするのだと言う. 関東以南では蜜柑や柿はどこでも見かける日常的な光景なのだが、北海道に住んでいる彼女にとっては見たことのない珍しいものなのだ.そう言えば私も最初の頃は蜜柑や柿、竹などが珍しかった事を思い出した.

藤井寺から鴨島駅までは距離にして3km近くあり、30分以上掛かってしまった.明日の朝にまたこの藤井寺に戻って来なければならないことを考えると、鴨島駅前に宿を取ったのはちょっと失敗だったかなと少し後悔した.ホテルでチェックインを済ませ、シャワーを浴び着替え一休みしてから、夕食を食べに鴨島の街を散策してみた.駅前のメインストリートにもかかわらず、普通に食事のできそうなお店は見あたらなかった.仕方がないので、鳥料理が中心の居酒屋風のお店を見つけ、そこで食事をすることにした.明日のために栄養をつけておこうと思い、焼き鳥や、ビール、ご飯物など普通の人の3人分位の量を一気に食べてしまった.どう考えても食べ過ぎである.夜遅くになっても胃がもたれてなかなか寝付けなかった.



起点
 
経由地
 
終点
区間距離
累積距離
備考
6番 安楽寺
 
 
7番 十楽寺
1.2 km
1.2 km
 
7番 十楽寺
 
 
8番 熊谷寺
4.2 km
5.4 km
 
8番 熊谷寺
 
 
9番 法輪寺
2.4 km
7.8 km
 
9番 法輪寺
 
 
10番 切幡寺
3.8 km
11.6 km
 
10番 切幡寺
 
 
11番 藤井寺
9.3 km
20.9 km
 
11番 藤井寺
 
 
セントラルホテル鴨島
2.7 km
 

この日の歩数: 38,144 歩 【累積歩数: 75,515 歩 】 歩行距離: 20.9 km 【累積歩行距離: 45.2 km 】


宿泊先: セントラルホテル鴨島
    【TEL 0883-24-8989, FAX 0883-24-9008】
    徳島県吉野川市鴨島町鴨島471-2 (鴨島駅北隣)
    シングル 6,300円
    洗濯機・乾燥機 (有り)
    エレベーター有り



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