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2014
法金剛院
京都花園 法金剛院
京都花園にある待賢門院璋子所縁のお寺
百人一首にも採られている待賢門院堀河の歌碑
平安時代の遺構を復元した『青女の滝』
小さな池を取り囲む様に作られた廻遊式庭園
本堂の横には庭園を鑑賞するための渡り廊下が設けられている
法金剛院は花園にある平安時代末期の鳥羽天皇の中宮であった待賢門院璋子が復興させたお寺で、花の寺として知られている.花園駅前の通りに面しているので閑静とは言い難いが、庭園の中はひっそりとしていて紅葉を眺めながらゆっくりと散策できた.
長からむ心も知らず黒髪の 乱れて今朝は物をこそ思へ 待賢門院堀川 [久安百首]
堀川の局とその妹の兵衛の局は西行とも親しく交流しており、山家集には次の様な贈答歌が載せられている.
待賢門院、かくれさせおはしましにける御跡に、人々またの年の御果てまで候はれけるに、
南面の花散りける頃、堀川の局のもとへ申送りける
尋むとも風のつてにも聞かじかし 花と散にし君が行衞を 西行 [山家集 雑七七九]
返し
吹風の行衞知らする物ならば 花と散にも後れざらまし [山家集 雑七八〇]
十月中十日頃、宝金剛院の紅葉見けるに、上西門院おはします由聞きて、
待賢門院の御時思ひ出られて、兵衛殿の局に差し置かせける
紅葉みて君が袂や時雨るらん 昔の秋の色を慕ひて 西行 [山家集 雑七九七]
返し
色深き梢を見ても時雨つつ 旧りにしことをかけぬ日ぞなき [山家集 雑七九八]