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01
2013
大雪山トレイル 2013秋(初日)
紅葉と初雪の大雪山系をお散歩
旭岳温泉→姿見→裾合平→中岳分岐(暴風のため途中撤退)[9/17 2013]
台風のため大雪山縦走計画が大幅に狂ってしまったが、とりあえず旭岳温泉側からまだ歩いたことの無い裾合平経由で層雲峡温泉まで抜けることにした.朝目が覚めたら台風一過の快晴となる筈だったが、窓の外はどんよりとした雲に覆われ旭岳は全く見えない.台風の吹き返しの風が吹くことは覚悟していたが、ここまで天候が悪いとは思わなかった.山の上は晴れていることを期待しながらとりあえずロープウェイで姿見まで上がってみることにした.
期待に反して姿見付近は濃いガスに覆われていて全く視界が効かない.気温も低く風も結構強いので、レインウェアに着用して姿見の駅で暫く天候が回復するのを待っていた.数十分程待っていたが天候が回復する兆しが見えないので、とりあえず裾合平方面へ向けて歩き出すことにした.晴れていれば姿見付近はとても美しい景色が展開されるのだが、この天候では数メートル先しか視界が効かない.
登山道は一部が木道で整備されてはいるが大部分はぬかるみの中を歩いていた.裾合平の分岐までは多少の起伏はあるが平坦な道が続く.裾合平分岐で右に折れ中岳分岐方面へ進む.緩やかな斜面は湿原地帯のようで夏のシーズン中は辺り一面様々な高山植物のお花畑となっていた筈だが、この天気では花が咲いていたころの様子を想像するしかない.それでも紅葉は着々と進んでいるようで、ほんの一瞬ガスの晴れ間から赤く色付いた湿原の様子が伺えた.
登山道が緩やかな湿原地帯から沢伝いの少し急な斜面に入って行くと、硫黄の臭いが鼻につくようになった.どうやら中岳温泉と呼ばれている温泉が噴出する場所に近づいたようだ.中岳温泉と名前は付いているものの、実際は沢の中にあるただ温泉が噴き出しているだけの場所だった.勿論建物や脱衣場のようなものは何もないので、自分で川底を掘り下げて噴出泉のお湯を引き込んだ湯船を作るしかない.登山コースの真っ只中にあるので、昼間にここでスッポンポンになって温泉に浸かるのは度胸が要るだろう.
中岳温泉を過ぎるとハイマツしか生えていない吹きさらしの斜面は風の通り道となり、まともに立っていられないくらいの強風が吹き荒れていた.強風を避けるように窪地を探しながら登って行くが、上に行くほど窪地を見つけるのが難しくなる.何とか中岳分岐までは辿り着けたが、稜線を吹き上がってくる風は半端ではない.ここから先はお鉢平と呼ばれる巨大なクレータの崖縁に沿って歩かなければならない.
風は進行方向左手の斜面を吹き上がり、真横から崖下方向に吹いている.まともに立っていることさえ困難な状況に追い込まれ、何度も地面に這い蹲って風を避けながら歩くが、風に煽られて崖下方向へ流されていく.流されていくと言うより飛ばされていくと言った方が正解だろう.ちょっとでもよろけたら崖下に真っ逆さまだ.大きな岩の風下に退避するのがやっとで、60Lの大きなザックを背負ってこれ以上先へは進めなかった.
ここから先も崖っぷちの危険な稜線歩きが続くので、今回はここで諦め元来た道を引き返すことにした.体毎持って行かれるような強い風は初めての経験だった.ロープウェイの姿見駅まで戻ると、強風で運行停止となってしまったロープウェイの運行再開を待っている大勢の観光客でごった返していた.この風ではロープウェイの運行はとても無理だろう.1時間に1回くらいの割合で風が弱まる時間帯があり、何とか無事に観光客を全員麓まで下ろすことができたようだ.
この日の宿は層雲峡ユースホステルを取っていたので旭岳温泉からバスで一旦旭川駅まで戻り、JRとバスで層雲峡入りすることにした.帰りに東川のモンベルストアにより、ガス缶やフリーズドライ系の食料を調達した.旭川駅の近辺にはアウトドア系のスポーツショップがなく駅の周辺で物資を調達するのは困難だ.旭川には秀岳荘というアウトドア系のショップがあるが、タクシーを使わなければ行けないような場所のようだ.(白樺荘で同室になった在住のフランス人青年から、旭川駅のインフォメーションセンターでガス缶が入手できるという話を聞いたので、旭川駅周辺でガス缶を入手する場合は先ずはインフォメーションセンターに立ち寄ると良いだろう)
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