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2008
別格10番 西山興隆寺
別格10番 西山興隆寺 [ 11/21 2008 ]
壬生川のホテルを出たときは晴れていたが、途中で雲行きが怪しくなってきた.雲の動きが速く、いつの間にか向こうの山がすっぽり雨雲に覆われてしまった.興隆寺がある山の辺りも雲に覆われて見えなくなっていた.今治小松自動車道を越えた辺りでポツポツと雨が降り出した.近くのコンビニに避難して暫く雨宿りすることにした.
コンビニで雨宿りしていたが、いつ雨が止むか分からないのでビニール傘を買って雨の中興隆寺へ向かった.興隆寺は昨年訪れたときに印象に残っていたお寺の一つで、是非また紅葉シーズンに訪ねてみたいと思っていた.地元では興隆寺は紅葉の名所として広く知られていて、毎年大勢の紅葉目当ての参拝客が訪れるそうだ.
この日は朝から雨が降ったり止んだり目まぐるしく天気が変わっていった.30分ぐらい雨が降り続いたかと思うと急に日射しが出て暫く晴れ間が続き、また急に雨が降り出すというように猫の目のように何度も天気が変化する変な天気だった.
山裾まで来たときにまた急に雨が強く降り出したので、雨宿りを兼ねて久妙寺へお参りしていくことにした.久妙寺は場外霊場ではあるが、落ち着いた感じの結構大きなお寺だった.境内には誰もおらず一人でひっそりと大師堂の軒先を借りて雨宿りさせていただいた.このお寺は昨年も興隆寺から生木地蔵へ向かう途中で寄ってお参りさせていただいた.
久妙寺で30〜40分程雨宿りをしていたが、雨は上がりそうもなかったので興隆寺へ向かうことにした.周りを畑に囲まれた緩やかな坂道の車道を上がっていくと西山興隆寺と刻まれた石碑があり、その先に六角形の小さなお堂が建っていた.興隆寺の檀家さんの墓地のようだった.ここから興隆寺までは1km位はありそうだ.この辺の山全体が興隆寺の敷地なのかもしれない.
参道の入り口に着く頃には雨は上がり、青空が見えるようになっていた.小さな川に掛かっている参道へ続く真っ赤な橋(御由流宣橋と名付けられていた)を渡り、興隆寺へ続く風情のある参道を上って行った.
この興隆寺の参道も私の好きな参道で、雨に濡れた木々の葉っぱが太陽の日差しを浴びてきらきらと輝いていた.雨上がりの水蒸気が木漏れ日の光を受けてくっきりと光線のシルエットを映し出している.何とも神秘的で美しい光景だった.
お参りを終えて下へ下りて行こうとしたときに一人の若い女性の歩き遍路さんがやってきた.ベンチで休んでいたので話しかけてみた.
この女性は現在徳島に住んでいる人で、休みを利用して区切りで別格も含めて歩いて廻っていると言っていた.ご主人が転勤族らしく、四国にいる間になるべく多くのお寺にお参りしたいと言っていた.
この女性も出石寺へは平野地区から瀬田ルートで上ったけど、遍路道が分からなくて車道を上って行ったと言っていた.私が以前出石寺の宿坊に泊めていただいた時の話やこれから先の仙龍寺や大滝寺の遍路道の事など暫くおしゃべりをしていた.
もっと興隆寺でのんびりしていたかったが、また雨が降り出したら嫌なので晴れているうちに山を下りることにした.今度の土、日は興隆寺でもみじ祭りが行われるらしく、テキ屋さんたちが屋台の準備をしていた.この日はまだ紅葉の色づき具合は今イチだったが、最盛期には見事な紅葉が見られるのだろう.
時間があれば仙龍寺を訪れたかったが、天気も不安定なので仙龍寺は諦めてそのまま電車で松山へ向かい、今夜は道後温泉に泊まることにした.明日の夜7時半の便で帰る予定なので出石寺へは行くのは無理かと思っていたが、先ほどの女性と出石寺の話をしていたら、どうしても出石寺へ行きたくなってしまった.朝早く松山を出れば日帰りで出石寺を打つ事はできそうだ.今夜は道後の湯でのんびりと骨休めをすることにしよう.