日本海に沈む夕日(利尻山避難小屋)


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2007

5/26 別格20番大滝寺を経て脇町へ

5/26 別格20番大滝寺を経て脇町へ


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大滝寺から脇町へ


朝目が覚めると、雨はすっかり上がっていて青空が広がっていた.朝食を終えると他のお遍路さん達は荷物を宅配便で送る準備をしていた.このまま歩いて霊山寺へお礼参りに向かう人は一人だけで、他のお遍路さん達は皆コミュニティーバスで志度方面へ出る予定だという.


いよいよ今日は最後の別格20番大滝寺に向かうことになる.色々と考えた末、距離は長いが確実性のある、落合、県道106号線ルートを行くことにした.夏子ダム経由の道は遍路道が通れなかった場合のリスクがあまりにも大きすぎた.遍路道が通れずに車道を歩くことになると距離が長すぎて、全く時間の目処が立たなくなる.遍路道が通れない場合にどうなるかということは、出石寺で嫌と言うほど味わったので、同じ思いは二度と味わいたくなかった.


朝7時前、宿を出て大窪寺へもう一度立ち寄った.昨日はゆっくりと境内を散策している余裕はなかったので、もう一度寄って行きたかった.さすがにこの時間ではまだお遍路さんは誰も居なかった.境内の様子を写真に撮ろうと思い、デジカメのシャッターを押すが、画面が真っ黒で何も写らない.いやな予感がした.昨日雨に濡らしたのがいけなかったようだ.


夥しい数の金剛杖が奉納されていた.ここが結願の寺であることをあらためて実感した.一旦電源を切ってから、もう一度カメラのシャッターを押してみた.良かった.今度はきちんと撮ることができた.


やはり昨日の雨でデジカメの中にまで水が染み込んでしまったようだ.そのうち乾けば元通りになるだろう.カメラをザックにしまい、昨日歩いてきた国道377号線沿いの道を下っていった.竹屋敷という旅館から国道377号線をバイパスする細い山間の道に入った.再び国道377号線に合流し、国道193号線との合流地点である長谷という場所に出た.


ここで左に行けば夏子ダム方面へ、右に行くと塩江方面へ出る.落合経由で大滝寺へ行くには国道193号線を右へ行けば良い.長谷で15分程休憩してから、国道193号線を落合へ向かった.


途中の道端で面白い石像が立っていたので記念にデジカメで撮ろうとしたが、また真っ暗な画面しか写らなかった.何度電源を入れ直しても真っ黒な画面のままだった.どうやら完全に壊れてしまったらしい.こんなところでデジカメが壊れるとは.せめてあと2〜3日頑張って欲しかった. 


気を取り直して再び歩き出した.やがて落合地区に差し掛かった.ここからは国道を離れ、県道106号線を山の方へ登っていくことになる.ここから先はお店は一切無いということなので、ミネラルウォーターとペットボトルのお茶を買い込んで置いた.


県道106号線を登り始めて程なく、さぬき温泉というホテルがあった.大滝寺に向かうのであれば、ここに宿泊するというのも一つの方法かもしれない.


山の奥に入るに従って、どんどん道が細くなった.県道といっても車が1台通れるだけの細い道が続いた.1時間以上歩いていても人も車も全く通らない.鳥のさえずりや沢の音に耳を傾けながら山道を歩くのはとても気持ちが良かった.


やがて斜面がきつくなり、ヘアピンカーブが連続するくねくね道になった.ヘアピンカーブの山道を歩くのはとても気が滅入る.いくら歩いてもちっとも先に進まない.道路には分岐点までの距離を示す数字が100m毎に書かれている.歩いても歩いても数字がなかなか減っていかない.


だらだら山道を登っていると、前方からお遍路さんが下りてきた.一昨日屋島寺から八栗寺で一緒になった男性だった.彼は昨夜はさぬき温泉に泊まり、今朝一番に手ぶらで大滝寺へお参りしてホテルに戻る途中だという.ホテルに戻ってから大窪寺に向かうのだという.彼は87番の長尾寺を打ってから、88番の大窪寺へは行かず、さぬき温泉で一泊してから、大滝寺を打ってそのまま大窪寺というルートを選んだようだ.


確かにこのルートの方が、最後の大窪寺で他のお遍路さん達と一緒に結願の喜びを分かち合えるので良いかもしれない.最後に感動的なエンディングを迎えたい人は、やはり一番最後に大窪寺を打つ方が正解かもしれない.


急な斜面を登り切ったところに六角堂とよばれる大きな木造の小屋があった.この六角堂は何かの研修施設のようだったが現在は廃墟になっていた.六角堂を過ぎるとそこから先は緩やかな道が続いた.見晴らしが良かったが、あいにく麓は霞んでいてよく見えなかった.


結構しんどい道のりだったがなんとか大滝山の頂上にたどり着いた.この大滝山の頂上が香川県と徳島県の県境だった.大滝寺は大滝山の頂上からほんの少し下った徳島県側にあった.大滝寺に着いたとときにはお昼を過ぎていた.


大滝寺の境内は狭かったが見晴らしは良かった.この日は黄砂の影響で麓が霞んでいたが、天気が良ければ吉野川から剣山まで雄大な景色を一望できるという.期待していただけにちょっと残念だった.<


このお寺には水道設備が無く、お寺の水は全て雨水を溜めて使っているという.参拝客が使える水飲み場やトイレすらなかった.境内には水道設備を設置するための寄進をお願いする看板が立てられていた.水には大変難儀されているようだった.


お参りを済ませ納経所で墨書きと朱印をお願いすると、ご住職の奥さんらしき方が記帳してくれた.多分先日電話に出られた女性だろう.私が歩き遍路だと分かると、冷蔵庫から冷たいジュースをお接待してくれた.電話の時はとてもそっけない対応しかして貰えなかったが、とても優しそうなおばさんだった.


これで全ての札所を廻ったことになるのだが、何故か終わったという実感が湧かない.今度こそ感動的なエンディングを迎えることを内心期待していたのだが.やはりお寺を廻る順番を間違えたのだろうか.


暫く境内で休んでから、午後1時半頃徳島県側の麓にある脇町を目指して山を下りて行った.ここから先は遍路地図には載っていないので、道路標識と感だけを頼りに山を下って行くしかなかった.


途中で分岐路に出たが標識を見ても全く知らない地名しか出ていない.その土地の人でなければ分からないような標識だった.果たしてどちらに進んで良いものか.暫く誰かが通るのを待っていたが一向に車は通らない.仕方なく感だけを頼りに左側の道を下りていった.


暫く行くとまた分岐路に出くわした.今度は 県道252号線 脇町方面という 矢印が付いている.どうやらこの道で正解だったようだ.くねくねと山の斜面を遠回りしながらヘアピンカーブの道を下りて行く.歩いていてイライラする.崖を突っ切って真っ直ぐ下りていきたくなる.


大分麓に近づいたとき、前方10m位のところを蛇が逃げるように横切っていった.見事なマムシだった.最後の最後でやっと立派なマムシ君に出会えた.お遍路を始める前は山道でのマムシを心配をしていたが、今回のお遍路で蛇を見かけたのはほんの数回だけだった.


どの位歩いたのか分からないが、ようやく集落の外れにある小さなお店にたどり着いた.お店の前には清涼飲料水の自販機が置かれていた.良かったやっと冷たい飲み物が飲める.500mlペットボトルの冷たいお茶を飲み干してもまだ喉の渇きは治まらなかった.


山道を抜けようやく吉野川沿いの脇町に辿り着いた.近くにうだつのある古い街並みが保存されているというので、寄ってみた.うだつとは『うだつが上がらない』のうだつだという.この日は土曜の午後ということもあって結構観光客で賑わっていた.


脇町にあるビジネスホテルに向かう途中で、布団が洗えるような大型機が設置してあるコインランドリーを見つけた.ホテルにチェックインしてからザック荷物を取り出し、空のザックを持ってコインランドリーに向かった.


ザックを大型のドラム式全自動洗濯機に放り込み、ザックを丸ごと洗濯した.遍路の後半にもなると、ザックに汚れや汗の臭いが染み付き困っていた.大分前からザックを丸ごと洗濯したくてしょうがなかった.勿論、アウトドア的にはザックを丸ごと洗濯することはNGなのだが、ザックが駄目になっても良いので兎に角ザックを綺麗にしたかった.


洗濯してザックが綺麗になったのは良かったが、戴いた納め札をザックの裏側に入れて置いたのをすっかり忘れていて、ザックと一緒に洗濯をしてしまい、納め札をボロボロにしてしまった.またまた大失敗をしてしまった.



起点
 
経由地
 
終点
区間距離
累積距離
備考
八十窪
長谷,落合,県道106
別格20番 大滝寺
24.2 km
24.2 km
別格20番 大滝寺
県道106,県道252
ホテルマツカ(脇町)
14.2 km
38.4 km


この日の歩数:57,998 歩 【累積歩数:2,134,405 歩 】 歩行距離:38.4 km【累積歩行距離:1316.6 km 】

宿泊先: ホテルマツカ
      【 TEL 0883-52-1555 FAX 0883-52-1414 】
       〒779-3602 徳島県美馬市脇町猪尻建神社下南153-1
       https://www.hotel-matsuka.com

       シングルA 朝食付き 5,670円(内訳 4,800円 + 朝食 600円 + 消費税 270円)
       洗濯機・乾燥機: コインランドリーが有る




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大滝寺へのルートについて


大窪寺から別格20番大滝寺へのルートは夏子ダム経由と落合経由の2通りある.距離的には夏子ダム経由が約18.5kmで、落合経由の24.5kmと圧倒的な差があるが、夏子ダム経由は山道の遍路道を通る.遍路地図にはこのルートは6月〜10月は草木繁茂で通行不能とあるので、相当遠回りになってしまうが、確実に車道で行ける落合ルートを選ぶことにした.


前日の雨でデジカメが故障してしまい、大滝寺への行程の写真が撮れなかったので、大窪寺からのおおよその時間経過を記しておく.


大窪寺 (6:50AM) → 旅館竹屋敷(7:15AM)→ 長谷(8:05AM)→ 落合(9:25AM)→ 六角堂(11:45AM)→ 大滝寺(12:05PM)



大滝寺へ向かう経路で最後にお店があったのは落合地区だった.そこから先はお店や自販機は何もない.大滝寺は標高910mの山の上で、水道設備はないのでお寺の水は全て雨水を溜めて使っていた.お寺に着いても飲料できるような水は手に入らない.


大滝寺には参拝客用のトイレすら無いので注意が必要だ.夏子ダム経由の場合は、夏子ダムにトイレと自販機が有る.


【補足】大滝寺には参拝客用のトイレはないが、隣の西照神社にはトイレがあり、手洗い用の水が使えた.


大滝寺は別格札所を歩いて廻ったうち7番の出石寺に次いで、困難な道のりだった.大滝寺を参拝後、反対側の吉野川方面へ下りて行ったが、この道も険しい山道特有のヘアピンカーブの連続で、なかなか目的地に着くことができない忍耐を要する道だった.山中の車道歩きは本当に気が滅入る.


追記: 夏子ダム経由の遍路道について [ 11/28 2008 ]


2008年11月17日に夏子ダムから大滝寺へ上がる遍路道を実際に歩いて調査してきた.この遍路道では3カ所あるショートカット遍路道(遍路地図で点線で印された部分)のうち、広域農道を大幅にショートカットする2番目の遍路道は道の痕跡が全くなく、険しい斜面と鬱蒼とした木々に囲まれ見通しもきかない大変危険な状態だった.


通常の遍路標識などは全く見あたらず、営林署の人達が目印に付けている赤いマーキングもなかった.いたるところに獣道があり、猪が土をほじくり返した跡が沢山残っていた.山中には猪猟の罠なども仕掛けられていて危険な状態だった.


山歩き経験の少ないど素人が歩けるような状況ではなかった.普段山歩きをしていて登山道以外のルート(所謂バリエーションルート)を歩き慣れている人以外はこの遍路道を歩いてはいけない.


この2番目の遍路道を通ることができないと広域農道をもの凄く遠回りしなければならず大変な痛手だが、1時間ぐらい余計に掛かっても広域農道〔舗装された車道)を歩いた方が良いだろう.この部分を除けば後は比較的歩きやすい遍路道だ.



夏子ダムルートについての情報はこちらの記事を参照して欲しい.

別格20番 大滝寺への遍路道(夏子ダムルート)

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