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2024
飛島をお散歩
渡り鳥を探しに飛島へ
昨年酒田を訪れた際に、酒田港から日本海に浮かぶ小さな沖合の島である飛島へ定期船が運航されていることを知った.飛島のことを色々と調べていたら、飛島では春と秋の鳥の渡りのシーズンに、羽休めのため多くの渡り鳥たちが中継地として飛島を訪れるという.普段本土では見られないような珍しい鳥に出会える場所としてバーダーさんたちの間では知られた存在のようだ.
この三連休は全国的に好天に恵まれそうとのことだったので、急遽双眼鏡を片手にどんな鳥に出会えるのか興味津々で飛島に行ってみることにした.尤も、日帰りでの飛島探訪なので、島での滞在時間は2時間が良いところだろう.勿論この時間ではじっくり探鳥を行うことは不可能なので、渡り鳥を探すというよりは、探鳥場所としての飛島がどのような場所なのか事前に調査することが目的だ.
飛島へ向かう定期便は酒田港を9時30分に出港し飛島に10時45分に到着、折り返し13:45分に飛島を出発し15時に戻ってくる1往復しかない.4月下旬から8月までの週末や連休中は一日2往復運行されているようなので、日帰りでももう少し時間に余裕が取れそうだ.
今の時期に飛島を訪れる観光客の大半はバーダーさん達か釣り人のどちらかで、何れも常連さん達が多いようだった.島には小さな旅館や民宿が数軒程度しかないので、春や秋の連休シーズンは大分前から宿を手配していないと島での滞在は難しいようだ.飛島全体が国定公園に指定されているので、島内でのキャンプは禁止されているということだ.せめて島に公設のキャンプ場でもあればそこでテントを張って数日間滞在できるのだが...
飛島航路の船は総トン数250トン、全長40m、幅10mのの小型の双胴船で、速力20ノット(時速約37km)なので船としては結構早い方だろう.この日は定期船の飛島号が定期検査中らしく、代船として新潟県の粟島航路で運航されている高速船きらら号で運航されていた.このきらら号の巡航速度は飛島号よりも3〜4km/h程早いようで、飛島の到着予定時刻の10:45分よりも15分ほど早く飛島港に着いた.
この日の海上は比較的穏やかで、うねりも殆ど無かったが、船は結構なスピードで飛ばして行くので結構揺れていた.ジェットホイール船のようなシートベルトの着用までは必要ないが、外洋航海中に船内を歩き回るのは結構しんどい.船が苦手な人にはこのサイズの連絡船はちょっと辛いかも知れない.
この日は朝から絶好の快晴だったので、洋上から眺める鳥海山はいつもとは違う趣があり、鳥海山が大好きな私にとってはこの景色を見ることができただけで飛島まで来た甲斐があったというものだ.
島での滞在時間が短いので、到着早々野鳥が居そうな山の中へ分け入った.とても小さな島なので港や集落は海岸線の本土側だけに偏在している.西側の日本海側には集落や道路は無いが、風光明媚な海岸線が広がっている.島の標高は一番高い高森山でもわずか68mなので、利尻島のような島全体がそのまま山という訳ではないが、島の殆どが台地上の低山でできているが、島の中央部は割と平坦な地形なので島の人たちは畑を作って、農作物はある程度自給できているようだ.
島の中央部を貫くような形で舗装された道路(農道)が設けられているので、常連のバーダーさんたちは自転車を借りて島内を移動しているようだ.
畑の周りや森の中は藪が多く、木々の枝葉もこの時期は生い茂っているので、野鳥を探すのは困難だ.藪の中では至る所にウグイスがいて、絶えずウグイスの地鳴きが聞こえていた.今回は藪の中を動き回っているコマドリぐらいしか観察することができなかった.珍しい季節の渡り鳥は、藪や森の中というよりは、畑の中や校庭などの比較的開けた場所に何気なく現れるようで、島で見かけたバーダーさんたちは畑の周辺で鳥を探していた.
飛島は島全体が国定公園に指定されているので、島内での野営や屋外での火器類の使用は禁止されているようなので、宿泊施設に頼らざる負えないのだが、公設のキャンプ場がないのが残念なところだ.観光客は車を持ち込めないので、オートキャンプの鬱陶しい連中に邪魔をされないのんびりしたキャンプが可能なので、最高のキャンプ場ができそうだ.次回飛島を訪れる際は、島に2〜3日滞在して、じっくりと珍しい渡り鳥たちを観察しよううと思う.
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