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2019
遊行柳
遊行柳
芭蕉が『奥の細道』で下野国(今の栃木県那須町)の芦野の里にある遊行柳を訪れ一躍有名になった『遊行柳』を訪ねてみることにした.
西行が詠んだとされている、
道のべに清水流るる柳かげ しばしとてこそ立ちどまりつれ [西行(新古今集)]
は、鳥羽天皇から命で御所のふすまに描かれた絵を元に歌を詠ませた時の作品で、後の世に謡曲『遊行柳』と結びつけられ、西行が詠んだ柳の木と言うことで一人歩きしていつの間にか歌枕の地と化してしまったようだ.勿論この芦野の里は旧奥州街道沿いにあるので、西行が二度の奥州下向の際に立ち寄ったと思うのは不思議ではないが、西行の時代の街道は今の国道294号ではなく白河の関跡を通る『伊王野白河線(県道76)』の方かもしれない.
また、清水流るるの柳は、蘆野の里にありて、田の畔に残る. ...
田一枚植えて立ち去る柳かな 芭蕉