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2011
須走口旧登山道
須走口旧登山道(馬返し→五合目)
富士登山初心者の付き添い役で須走口からの一泊二日の往復トレイルに行ってきた.五合目で待ち合わせることになっていたが、折角なので少し早めのバスに乗り馬返しから旧登山道を歩いて五合目へ向かうことにした.
この日は御殿場近辺は朝からどんよりと曇っていて、麓の須走浅間神社あたりから上では小雨が降っていたが馬返しに着く頃には雨は止んでいた.夏季限定の登山バスの停留所は馬返しを含めて途中に三箇所あるようだったが、途中で乗降する客は滅多に居ないようなので、念のため登山バスの運転手に馬返しで降車する旨を伝えておいた.運転手によってはバス停案内の車内放送すら行わない場合も有るようなので、馬返しで降車する場合は運転手に事前に確認して置いた方が良いだろう.
馬返しの旧登山道入口には小屋が建てられていたが、山小屋か休憩所として使われていたようだ.富士あざみラインができてからは皆五合目へ真っ直ぐ行ってしまうため、旧登山道の馬返しは誰からも見向きもされなっくなってしまったのだろう.
馬返しから五合目までの登山道は『山と高原地図:富士山』では完全にあざみラインに置き換えられてしまっていて、多くの人は旧登山道が存在することさえ知らないだろう.実際に旧登山道を歩いて見ると、一部に踏跡が確認されるものの大部分は道なのか単なる雨裂なのか分からないような状態だった.
踏跡を辿ることは困難だったが、今年の6月に地元の小山町が旧登山道の基礎調査か何かを行ったらしく、ピンクのマーキングテープが沢山付けられていた.そのマーキングテープを頼りに辿って行くが、マーキング箇所が結構滅茶苦茶で途中何度も迷走させられた.恐らく旧登山道を正確にトレースしたものではなく、旧登山道を整備するための基礎調査のためのマーキングなのだろう.世界文化遺産登録を目指すために旧登山道を整備する計画なのかもしれない.
山登りに不慣れな人たちがこの旧登山道を歩くのは止めた方が無難だが、旧登山道の直ぐ左手側にはあざみラインが通っているので最悪道に迷ったら左側にエスケープすればあざみラインに脱出できるので遭難の心配はないだろう.見所や風情のある登山道でもないので、また歩きたいかと問われれば???なのだが、できれば旧馬返しからではなく須走浅間神社を起点とした地道ルートが整備されることを望みたい.あざみラインの周辺は自衛隊の東富士演習場の敷地のようなのでそう簡単には自然歩道を設けることはできないだろうが、演習場の敷地の一部を地元に譲渡して貰って遊歩道を整備した方が世界遺産登録を目指すには相応しいだろう.富士山と戦車や大砲の組み合わせはどうみてもミスマッチだ.
小富士への登山道と合流するとハイキング客やきのこ採りの人達で一気に賑やかになった.ちょうどきのこ狩りのシーズンらしく、きのこ採りのおじさん達の竹籠の中は沢山のきのこで一杯だった.五合目の山小屋の脇では収穫されたきのこの選別会が開かれており、山小屋の女将さんにきのこの選別をしてもらっていた.東富士山荘のおやじさんはきのこ博士として有名らしく、この季節には登山客だけではなくきのこ採りのお客さんが多いようだった.
【追記】
須走口の旧馬返しから新5合目までの旧登山道は小山町が『富士箱根トレイル』の一環として今後コース整備を行うようです.
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