戸隠連山と北アルプス(飯縄山)


Date/Time: 2014:06:15 11:06:29
Camera: PENTAX
Model: PENTAX K-5 II s
Exporsure Time: 1/4000
FNumber: 3.5
Aperture Value: 3.6
Focal Length: 21.0

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2011

今夏の富士山

今年の夏の富士山の状況を振り返る


8月末で富士山も山終いとなり、今年の夏の富士登山シーズンもほぼ終わりに近づいた.今年は7月中旬に2回ほど富士山の頂上まで登ったが、その後は天候に恵まれずになかなか富士山へは行けなかった.


今年の夏は天候不順で富士山周辺は例年になく天候に恵まれなかったようだ.7月中旬の梅雨明けから1週間くらいは好天に恵まれたが、その後は殆ど雲に覆われてしまい富士登山は低調だった模様.去年は7,8月のシーズン中に32万人以上が富士山に登ったそうだが、今年はこの記録を上回ることは無さそうだ.


富士登山のベテランの人達は混雑する8月を避けて9月に登る人が多いようだ.9月中旬ぐらいまでは吉田口の山小屋がオープンしているようなので、天気さえ良ければ初心者でもまだ頂上まで行けるチャンスはあるだろう.


近年の富士登山では殆どの人が頂上で御来光を見るために、ツアーバスや車で一気に5合目まで駆け上がり、高度順応も不十分な状態で高山病を気にしながら登っている.砂礫と溶岩だらけの歩きにくい道をへろへろになりながら何とか山小屋に辿り着いたものの、寝返りもままならないような劣悪な環境でほんの僅かな仮眠を取ることしかできない.


御来光の時間までに頂上へ辿り着くためには夜中の1〜2時くらいには山小屋を出発して、危険な夜の登山道を何時間も掛けて登って行かなければならない.ようやく頂上へ辿り着いたものの周りは人だらけで落ち着いて座る場所もない.想像を絶する寒さに凍えながらひたすら御来光を待っていても必ずしも御来光に巡り会える訳ではない.


運良く頂上で御来光を迎えられるのは一部の人達だけで、多くは渋滞で身動きが取れなくなって、登山道の途中で御来光を迎えてしまうというのが実態だ.御来光が一段落すると今度はトイレ待ちの長い行列や、剣ヶ峰での撮影待ちの行列が待っている.


念願の登頂やご来光を拝めたtとしても今度は単調で長く辛い下山が待ち構えている.登頂で体力を使い切ってしまったり、膝の痛みなどで下山の途中で動けなくなって道端でダウンしている人達を大勢見かける.予定の時間内に5合目まで下りることができず、日が暮れてもまだ下山道を足を引きずりながら下りて来る人も多い.7,8月の富士登山ではこんな光景が週末やお盆毎に繰り返されている.


確かに富士山の頂上で迎える御来光は何度見ても素晴らしいが、登山経験も体力もない全くの初心者が初めて登る山としては富士山は完全に不適切な山だと思う.夏場の富士山は天候に恵まれれば全くの初心者でも登頂できる可能性の高い山ではあるが、天候に恵まれないとただただ辛い思いをするだけの試練の山登りとなってしまい、登頂を途中で諦めてリタイアすることが多いだろう.


ある意味で初めての登る山が富士山というのは最悪の選択なのではないかと思う.登山初心者の人達にとっては辛い試練を乗り越えて富士山の頂上で迎える御来光はとても強烈で人生観が変わるほどの体験なのだろうが、富士山頂上での御来光も他の山々で迎える御来光も大差ないと思っているのは私だけでだろうか.


頂上で御来光を迎えることに拘らなければ、もっと楽でバリエーションに富んだ富士登山を楽しめるのだが...


私には多くの山小屋やバスツアー会社が結託して御来光至上主義的な傾向を演出しているようにしか思えない.再び富士山を世界文化遺産に登録しようという動きもあるようなので、この辺で富士登山のあり方を根本から見直す必要があるだろう.


富士スバルラインや富士スカイラインの登山部分、富士あざみラインは廃道にして観光客が安易に富士山に入れないようにしないと、富士山を取り巻く状況は良くならないだろうう.それにしてもスバルラインの5合目の光景は異様だ.



富士山の天気状況を知るには


富士山の周辺には多くのインターネットライブカメラが設置されている.首都圏近郊に居住しているのであれば、これらのライブカメラの画像からある程度天候の状況が把握できるので、富士登山を決行するかどうか事前に判断することができるだろう.


【代表的な富士山のライブカメラ】

 ・山中湖村 絶景君 http://www.vill.yamanakako.yamanashi.jp/zekkei/index.php
   山中湖畔の平野にある山中湖交流プラザきららからの高精細ライブカメラ画像

 ・富士五湖.TV http://www.fujigoko.tv/live/index.html
  富士山周辺の各地からのライブカメラの画像を沢山集めたライブカメラのポータルサイト
 ・静岡県 ライブカメラ富士山ビュー

麓からの画像だけでは富士山の上部の雲の様子は判別しにくいが、紅葉台や三つ峠などの比較的高い場所からの画像を見ることで、どの位の高度まで雲が達しているのか確認することができる.これらのライブカメラの画像から、富士山の周辺の雲の状況がリアルタイムで分かるので富士山の気象状況を把握するための強力なツールになるだろう.


富士山の頂上の様子はライブカメラでは見ることができないが、気象庁のホームページでは気温、日照時間、湿度、気圧は1時間毎の観測値を公開している.昔は剣ヶ峰に有人の測候所があり詳しい気象観測が行われていたが、現在は測候所は閉鎖されているので機械による簡易的な自動観測だけとなっている.


 ・気象庁 富士山 毎正時の観測データ

気象庁の富士山観測データでは風向や風速に関する項目が無いが、河口湖と静岡市の上空の観測データ(ウインドプロファイラ)が公開されているので、そちらを参考にすると良いだろう.


 ・気象庁 ウインドプロファイラ

7,8月の天気状況を絶景君で振り返る


先に紹介した山中湖村の絶景君では過去1年分のライブカメラのストック画像が一覧形式で見られるようになっている.


今年の7,8月の早朝の画像を振り返ってみると、今年の富士登山のベスト期間は梅雨明け(関東は7/9)直後の一週間だけだったようだ.今年は 7/10,11, 7/16 に登頂したが、梅雨明け後の安定した天候に恵まれ、素晴らしい景色を堪能することができた.


8/15にも須山口登山道を麓の須山神社から水ヶ塚の1合目まで歩いてきたが、午前中は晴れていても午後からは積乱雲に覆われてしまい、土砂降りになってしまった.2年前の8/29にも須走口を日中登山しているが、やはり午前中は快晴でも夕方には雨になってしまった.


8月は太平洋側からの湿った高温の気流が流れ込むため、富士山の周りはぶ厚い積乱雲に覆われてしまうので登山には向かない.早朝は晴れることが多くても、午後になると必ずと言って良いほど積乱雲に覆われてしまうので、富士山での行動はなるべく午前中に済ませるのが良いだろう.


昨年もそうだったが、7月の梅雨明け後の一週間前後が安定した晴天が続く富士登山のベストシーズンと言えそうだ.


【追記】9月の天気状況


9月に入ってからの天気状況は結構恵まれていたようだ.9/10,11に一泊二日の日程で須走口から頂上を目指して登ってきたが、気温も高く頂上でも寒さに震えるようなことは無かった.8月より空気も澄んでいるので視界も良く絶好の富士登山日和だった.


最近は吉田口の山小屋が9月中旬まで営業していることが多くなったので、9月の富士山は結構穴場かもしれない.


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