10
06
2009
GPS-CS3のデータを活用する(その4)GPSPhotoLinker
GPSPhotoLinker : Mac OS X 用ジオタグ埋め込みツール
以前の記事で紹介したGPicSync はコンピュータに精通した人達にとっては都合が良いツールなのですが、一般のユーザにとっては使い難いかもしれません.Mac OS X 用でのジオタグ埋め込みツールとして、GPSPhotoLinkerという名前の使い易そうなアプリケーションソフトウェアを見つけましたので、簡単に紹介しておきます.
GPSPhotoLinker (V1.6.4) はMac OS X 用のアプリケーションで、フリー版とプロ版(有料)があります.単にジオタグを埋め込んだり、削除したりするにはフリー版で十分です.GPSPhotoLinkerの主な機能として、
・JPEG, TIFF, RAW などの画像形式に対応している
・バッチ処理が可能
・画像の日付スタンプを修正する機能
・ジオネーム(国や州、県、都市名など)を指定したサーバから取得可能
・トラックポイント、ウェイポイントを手動でリンクすることが可能
・GPX, TCX 形式のデータに対応可能
・FlickerなどのWebギャラリーに簡単にアップロード可能
など、結構多機能です.
現時点では英語版しか有りませんが、Mac専用のソフトウェアなので他のMac アプリケーション同様操作はいたって簡単です.
ジオタグの埋め込み処理のモードとして3種類用意されていて、シングル、マニュアル、オートの処理モードがあります.シングルは画像1枚毎にその撮影日時の前後のトラックポイントを2つ見つけ出し、撮影時間と前後のトラックポイントの時間のずれから、その画像の撮影場所を推定(恐らく単純な内挿補間だと思います)します.
適用可能なトラックポイントしてはその前後の2点と補間推定によって得られた推定トラックポイントの計3点がありますが、そのうちユーザの好きなトラックポイントを適用することが可能です.自分がより適切だと思ったトラックポイントを選んで、”Save to Photo” ボタンをクリックするだけです.追加でIPTC/XMP のフィールドをジオタグとして書き出すことができますので、適切な地名を自分で書き込むことも可能です.
シングルモードは画像の1枚1枚について手動でジオタグを埋め込んで行く処理ですが、オートモードを選べば複数の画像を一括してジオタグ付加処理を行ってくれます.この場合、内挿補間を行うのか、ニアレストネイバー(一番近いトラックポイントのデータを適用する)を選ぶのか選択することが可能です.また、時間的に有る一定レベル以上ずれていたり、距離的に離れていた場合はジオタグ情報を書き込まないようにも設定できます.
トラックデータとしてはGPX形式、画像データとしてはJPEG,TIFF, カメラRAWなどが取り扱えるようです.何れのデータもダイアログ上でファイルをドラッグ&ドロップすることで指定可能です.
また、デジカメ側の内蔵時計が狂っていたりして正確な撮影日時ではない場合に、撮影データの日時を一括してシフトさせる機能も有ります.また、iPhoneなどのGPS対応携帯のカメラで撮影してしまった画像やジオタグ情報を含んだ画像などから簡単にジオタグ情報を除去することが可能です.うっかりブログやホームページにジオタグ情報付きの写真を載せてしまい、自宅の場所などのプライバシー情報が第三者に知られてしまうのを防ぐことができます.
シングルモードで写真にジオタグ情報を埋め込んでいる様子
オートモードで複数の画像を一括処理している様子