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2024
象潟(奥の細道 番外編)
再び象潟へ
昨年の奥の細道を巡る旅で日本海側の交易の拠点であった酒田の街を訪れているが、今回はその続きとして奥の細道のハイライトでもある象潟を訪れるというのが本来の筋んまのだが、象潟は既に何度か訪れており、15年前の事ではあるが象潟を探訪した際の様子も『象潟(秋田県にかほ市)』にしているので、今回は前回立ち寄らなかった象潟橋と九十九島の奥の方を歩いて見ることにした.
東京駅を9:12AMに出発するとき312号は、途中大宮に停車するだけで、その次は終点の新潟という最速列車で、新潟で酒田行きのいなほ3号へズムーズに乗り継ぐことができるので、新潟以北の日本海側を訪れるには便利だ.JR東日本の週末フリー切符のエリアも丁度酒田までなので、酒田までは気軽に足を伸ばしやすい.
酒田から象潟への道のりは、奥の細道本文に記されているように、酒田の港から東北の方へ歩を進め、山を越え、磯を伝い、砂浜を歩いて象潟へ到着している.芭蕉と曽良の足跡を辿るには実際にこの間を歩いて見たかったが、とてもそんな悠長な時間はないので、今回は酒田駅から電車で象潟へ向かった.
遊佐から吹浦までは羽越本線の真っ直ぐな線路が田んぼ地帯のど真ん中を通り抜けており、鳥海山を背景にとても風光明媚な光景が繰り広げられる、私の大好きな場所の一つだ.
吹浦から象潟までは海岸線に沿って北上して行くが、電車の窓から眺めている分には風光明媚な海岸線なのだが、当時は崖沿いの険しい海岸線を歩かざる負えなかった筈なので、さぞかし難儀した事だろう.
曽良の旅日記では、
十五日 象潟ヘ趣。朝ヨリ小雨。吹浦ニ至ル前ヨリ甚雨。昼時、吹浦ニ宿ス。此間六リ、 砂浜、渡シ二ツ有。 十六日 吹浦ヲ立。番所ヲ過ルト雨降出ル。女鹿。是ヨリ難所、馬足不通。大師崎共、三崎共云。一リ半有。 小砂川、御料也。庄内預リ番所也。 入リニハ不入手形。塩越迄三リ。半途ニ関ト云村有。ウヤムヤノ関成ト云。 此間、雨強ク甚濡。昼ニ及テ塩越ニ着。 ... 先、象潟橋迄行而、雨暮景色ヲミル。 ... 十七日朝飯後、皇宮山坩彌寺ヘ行。道々眺望ス。 ... 十八日 快晴。 早朝、橋迄行、鳥海山ノ晴嵐ヲ見ル。飯終テ立。
と記されている.象潟までの道中は雨の中をずぶ濡れになりながら象潟(本文では汐越)に辿り着いた事が窺える.曽良の日記には、象潟橋について二度も記されているので、この橋から眺める雨に煙る九十九島や快晴の鳥海山の眺めが印象的だったのだろう.
最後に鳥海山に登ったのは2013年の6月だったので、もう10年以上鳥海山に登っていないことになるので、次の残雪の季節にでも湯ノ台口から登ってみようと思う.このコースの近くには鶴間池というモリアオガエルの産卵場所として知られている池があるので、その見学も兼ねて6月中旬から下旬の時期に再びこの地を訪れようと思う.
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