神居岬 積丹半島


Date/Time: 2015:09:26 10:00:22
Camera: PENTAX
Model: PENTAX K-5 II s
Exporsure Time: 1/500
FNumber: 6.3
Aperture Value: 5.3
Focal Length: 21.0

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y2trip » 5/18 伊予三島から阿波池田へ

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18

2007

5/18 伊予三島から阿波池田へ

5/18 伊予三島から阿波池田へ


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朝目が覚めると、雨は降ってはいなかったが空はどんより曇っていた.昨日は伊予三島まで歩いたので、今日は伊予三島駅から歩き始めることにした.朝食を済ませた後、伊予土居駅から電車で伊予三島駅へ向かった.


伊予三島駅から街中を通り、高速道路をくぐり抜け三角寺のある山の方へ分け入る.振り返ると麓の伊予三島の町が一望できた.港の近くの工場の煙突からは白い煙が立ち上っている.製紙工場の煙突だろうか.やがて舗装道路から山道に入るが、道は整備されていて歩き易い.山道を登り切ったところで緩やかな車道に出たが、そこから三角寺の駐車場まではほんの数百メートルの距離だった.


駐車場には団体さんを乗せたマイクロバスが数台駐まっていたので、暫く時間を置いてから境内へ向かうことにした.駐車場の横で休憩していたら40代くらいの男性がハーレーに乗ってやってきた.お遍路の格好はしていなかったがバイクでお遍路をしているようだった.


団体さんが居なくなるのを待っていたが直ぐには居なくなりそうもないので諦めて境内へ向かった.長い階段を登って三角寺の境内に入ると、やはり境内は団体さんで一杯だった.団体さんが居なくなるまで門の側の休憩所で休んでいたら、見覚えのある50代位の女性がやってきた.高知あたりから何度となく見かけてはいたがこの女性とはまだ話をしたことはなかった.この女性が蜜柑を食べませんかというので、お言葉に甘えて一緒に蜜柑をいただいた.


ようやく団体さんが居なくなったのでお参りを済ませ、次の別格13番仙龍寺へ向かうことにしたが、肝心の仙龍寺へ向かう遍路道が遍路地図を見てもどこにあるのか一向に分からない.仕方がないので納経所で仙龍寺への遍路道について尋ねてみると、本堂の脇から裏山を登って行く遍路道があると言う.


教えられたとおり本堂の脇へ言ってみると、確かに裏山へ通じている細い道があった.最初の内は廻りに畑が広がっていたが、次第に山の中に分け入る山道になった.殆どこの道を通る人が居ないのか、所々で道が崩れていたり倒木で道が塞がっていたりしてとても歩き難い.何度も倒木を跨いだりくぐったりしているうちに衣服が汚れてしまった.倒木や崩落した道も厄介だが、別格への遍路道では蜘蛛の巣も非常に煩わしい存在だ.滅多に歩く人が居ない別格の遍路道では常に蜘蛛の巣の洗礼を受けることになる.絶えず杖を振り回して蜘蛛の巣払いをしていないと、体中蜘蛛の巣でベトベトになってしまう.


三角寺を出てから30〜40分位掛かって、ようやく標高780mの峠の頂上に着いた.頂上には案内標識と頭のないお地蔵さんが置かれていた.この道は古くからの遍路道のようだったが、今ではこの道を通る人もなく荒れ果ててしまったようだ.案内標識には仙龍寺ではなく奥の院とだけ記されている.地元では仙龍寺ではなく奥の院と呼ばれているようだ.


峠を越えると今度は急な下り坂が続いた.途中に数件しかない集落があったが、こんな山の奥にまで人が住んでいる事に驚かされる.急斜面を一気に下っていくと崖の上に出た.崖の上を伝うように仙龍寺へ下りて行く遍路道が続いているようだったが、崖崩れを起こしていて道が消失している.崖崩れを起こしている部分を上手く迂回すれば問題は無さそうだが、次に地震や台風が来ればもうこの道は完全に通れなくなるだろう.山歩きになれていないお遍路さんの場合は滑落する危険があるのでこの遍路道は避けた方が無難だろう.


仙龍寺が近づくと崖の傾斜は一層きつくなった.濡れた落ち葉で足下はとても滑りやすく一歩一歩慎重に石段を下りていった.崖につけられた急な階段が延々と続いたので、お寺の境内に着く頃には膝ががくがくになっていた.お寺の境内はとても神秘的な佇まいで、深山幽谷とはまさにこのような光景を言うのだろう.周りの景色も神秘的だったがお寺の本坊もそれに劣らず印象的だった.


一体何時の時代のお寺なのだろう.古色蒼然としていて実に雰囲気のあるお寺だ.寺の周りは深い急峻な山に囲まれていて、渓谷の流れの真上に本坊が建てられている.滝の流れの音に混じって野鳥のさえずりが聞こえてくる.まさに秘境の山寺と言うに相応しかった.秋の紅葉シーズンにはさぞかし素晴らしい光景が展開されることだろう.時間が許せば何時間でも佇んでいたい何とも言えない素晴らしいお寺だった.


このお寺の本堂(このお寺の本尊は弘法大師)は本坊の中の二階の奥まったところにあるので、お参りをするためには入口で靴を脱ぎ中の階段を昇って行かなければならない.黒く輝く大きな柱とギシギシ軋む板張りの床が歴史の重みを感じさせていた.


納経所では先程三角寺で見かけたハーレーの男性がお寺の方とおしゃべりをしていた.本堂でお参りを済ませ納経所で墨書きと朱印を戴いた.納経所の方と色々とおしゃべりをしていた際に、遍路道の崖崩れの事を話題にすると、三角寺から歩いて来たのですかと驚いていた.お参りの前に汚れた服を着替えて、綺麗な格好をしていたので歩き遍路には見えなかったのしれない.でも顔や手の日焼け具合をみれば一目で歩き遍路だと分かると思うのだが.まだ歩き遍路としてのオーラが足りないのだろうか.


お寺の方の話では去年の秋にあるお遍路さんが三角寺から仙龍寺への遍路道で遭難騒ぎを起こしたと言う.このお遍路さんは翌朝無事発見されたので良かったが、捜索隊まで出て大騒ぎになったと言っていた.三角寺の納経所では何も言われなかったが、お寺の方ではこの遍路道を歩いて来ることは薦めていないようだった.でもこの遍路道を通らずに車道を歩くと相当大廻りになってしまうので、何とか遍路道が維持されることを願いたいものだ.


仙龍寺を後にして、ダム湖の方へ下りていくと、下の駐車場でハーレーの男性が道路地図と睨めっこをしていた.立派なハーレーですねと話しかけると、この男性は一週間ぐらいの予定で八十八カ所と別格を廻る予定だと言っていた.私が歩き遍路だと分かると盛んに『凄いな』という言葉を連発していた.バイクで廻る事さえ大変なのにまして歩いて廻っているなんて信じられないと言う.


先程三角寺で見かけた事を話すとこの男性は最初信じてくれなかった.団体さんのマイクロバスの横にバイクを駐めていたでしょと言うとようやく信じてくれた.いくら遍路道が最短コースで結んでいるとは言えバイクが歩き遍路に追いつかれたというのは信じ難い事なのだろう.バイクでも仙龍寺までの道は結構大変だったらしく、彼は『信じられない』という言葉を連発していた.


ダム湖沿いの道を堀切トンネルに向けて歩いていると、民家の庭先に愉快な案山子の人形が置かれていた.堀切トンネルを抜け三角寺からの通常のお遍路コースに戻った所に建設会社がお接待しているお遍路休憩所があったので、そこで休憩させていただくことにした.昨夜宿で一緒だった女性お遍路さんが一足先に休憩していた.彼女も今夜は阿波池田の白地荘という民宿に泊まると言っていた.


別格14番椿堂(常福寺)はお遍路コースの途中にあった.納経所で墨書きと朱印をお願いすると、歩き遍路の方からは納経料は頂きませんと言って納経料をお接待してくれた.以前はここに通夜堂があって野宿派にとっては大変ありがたいお寺だったようだが、納経所の方に通夜堂の事を尋ねると、今は通夜堂は開いていないと言っていた.


野宿遍路の中には礼儀をわきまえずに身勝手な振る舞いをする者が増えてきたせいか、お寺や善根宿、駅などの公共施設からどんどん締め出される事が多くなったと聞いている.このお寺でもそのような理由で通夜堂を閉じてしまったのだろうか.ほんの一握りの不埒な野宿遍路のためにその他大勢のまじめな野宿遍路さん達が締め出されるのは何ともやるせなかった.私も次は野宿をしてみようと思っているのでこのような事は非常に残念でならなかった.


椿堂の境内で暫く休憩していると、大抵のお遍路さんはお寺の前を素通りして行く.納経はしなくてもお参りぐらいして行っても良さそうなものだが、八十八カ所以外の霊場には一切目もくれないというお遍路さんがとても多かった.八十八カ所ということに一体何の意味があると言うのだろうか.これではスタンプラリーと揶揄されても仕方ないだろう.


椿堂を後にして国道192号線を境目トンネルへ向かった.既に時刻は午後3時近くになっており、いつもなら国道のトンネルは避けて昔ながらの遍路道である峠道を選ぶのだが、今日はまだ先が長いので、最短時間で行けるトンネルを歩くことにした.


境目トンネルまでは緩やかな上り坂が続いた.境目トンネルの手前で昨夜松屋旅館に泊まっていた男性と一緒になった.この男性も同じ白地荘に宿泊するそうなので一緒に民宿岡田の辺りまで歩く事にした.宿からは民宿岡田の辺りまで車で迎えに行くので、境目トンネルに着いたら宿に電話するように言われていた.私は箸蔵寺まで歩いて行くので宿の迎えの車を待つことなく、そのまま国道192号線を阿波池田方面へ向かって歩いて行った.


30分くらい経過した頃に宿の車が追いついたので、ザックだけ先に車で運んで貰うことにした.白地荘のある白地地区は池田の中心部からは少し離れてはいるが、ちょうど吉野川が大きく右にカーブするあたりの左岸側(下流に向かって左側)にある.宿の場所が分からず少し迷ったが午後5時過ぎには何とか宿に辿り着くことができた.宿の部屋は母屋とは少し離れた普通の1Kタイプのアパートをそのまま利用した部屋だった. 



起点
 
経由地
 
終点
区間距離
累積距離
備考
JR伊予土居
 
 
JR伊予三島駅
11.0 km
伊予三島まで電車
JR伊予三島駅
 
 
65番 三角寺
5.4 km
5.4 km
65番 三角寺
 
 
別格13番 仙龍寺
4.1 km
9.5 km
道は荒れている
別格13番 仙龍寺
 
 
別格14番 椿堂
9.2 km
18.7 km
別格14番 椿堂
 
 
民宿 白地荘
15.4 km
34.1 km

この日の歩数:58,084 歩 【累積歩数:1,742,095 歩 】 歩行距離:34.1 km【累積歩行距離:1073.4 km 】

 宿泊先: 民宿白地荘
      【 TEL 0883-74-0487 】
      〒778-5251 徳島県三好市池田町白地本名755-2
https://hakuchisou.com

      洗濯機・乾燥機: 洗濯機は使えるようだ(私は未確認)

      雲辺寺の登山口(民宿 岡田さんの有るあたり)まで、車で送迎して貰える.岡田さんは直ぐに
      予約で一杯になってしまうようなので、雲辺寺越えを控えて宿の確保が難しい場合には、便利な
      宿です.



伊予三島駅 → 三角寺


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三角寺から仙龍寺への遍路道について(補足情報)


この遍路道は山越えの険しい山道で、普段山歩きをしていない人にとってはかなり厳しい山道です.その後崖崩れ部分がどうなっているかは分からないが、他のお遍路さんの情報などを見る限りまだ何とか通行可能な模様.


ただ何れの情報も普段山歩きをしているような人達の情報ですので、山歩き経験が豊富でなければこのコースは避けて下さい.


仙龍寺ではこの遍路道を歩かないように厳しく指導しているようで、この遍路道を歩くとお寺側から相当きつい叱責を受けるようです.(お遍路さんの遭難騒ぎが発生したということだった)



三角寺から仙龍寺への遍路道情報(GPS実測ルート)


参考までに、遍路ひとりさんが2009年7月に三角寺から仙龍寺までの遍路道を歩いた時のGPSによる実測ログを基に、電子国土(旧1/25000地形図)上に遍路道のルートを重ねてみました.遍路ひとりさんが指摘されているように、地形図に載っている点線ルート(四国遍路ひとり歩き同行二人の地図も地形図を基にしている)と実際の遍路道とではかなりずれがあるようです.


遍路ひとりさんのGPSデータに関する詳細は、下記のルートラボの頁を参照下さい.

【現在はYahoo Japanのルートラボサービスは廃止されています】


仙龍寺遍路道 : http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=b002b21d9a0c0b5623a9d9c81be1e7d3

三角寺から仙龍寺への遍路道地図


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仙龍寺 → 椿堂 → 阿波池田


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