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01
2021
月山から湯殿山神社へ
月山八合目〜月山神社〜湯殿山神社
芭蕉と曽良は羽黒山の南谷別院で数日間を過ごし、六月六日に月山神社参詣のため南谷から月山へ向かっっている.南谷での滞在期間は精進料理や断食などで垢離取りをしていたようで、現代でも月山に詣でる人たちは羽黒山麓の宿坊で同じようなことをしているのだろう.
月山詣での風習は現在も色濃く残っているようで、今回の月山登山中に全身に白装束を纏った行者姿の家族連れに何度も出会った.羽黒山から月山までは20km以上も山道を登って行く必要があるが、今は八合目まで自動車道が開通しているので、誰でも簡単に月山の頂上を目指すことができるが、江戸時代の月山詣では修行そのものだっただろう.
八合目から月山の頂上までは比較的緩やかな歩き易い登山道となっているので、小学生くらいの子供連れでも問題なく頂上を目指すことができるだろう.
奥の細道本文での月山、湯殿山神社についての記載を追って見る.
八日、月山に登る.木綿しめ身に引きかけ、宝冠に頭を包み、強力といふものに導かれて、雲霧山気の中に氷雪を踏みて登ること八里、さらに日月行道の雲関に入るかと怪しまれ、息絶え身凍えて、頂上に至れば、日没して月顕る.
笹を敷き、篠を枕として、臥して明くるを待つ.日出でて雲消ゆれば、湯殿に下る.
本文では頂上で野宿したような記載になっているが、曽良の日記では角兵衛小屋に泊まったことになっている.
月山から湯殿山神社へ向かう途中、大勢の登山客とすれ違った.羽黒山側からの登山客よりも志津側からの登山客の方が多いのかもしれない.月山リフトを使えば楽に登ることができるので人気なのだろう.
金姥分岐で右に折れ、湯殿山神社のある谷筋へ降りて行く.装束場という小屋を過ぎると月光坂と呼ばれる急斜面を梯子を使って下りて行く.とても長い下りの梯子が何回も続くので結構疲れる.谷筋の川まで出ればそこから湯殿山神社の本殿までは直ぐだ.
湯殿山神社の本殿(ご神体)にお参りしてから、庄内交通の無料送迎バスの発着場となる湯殿山参籠所の駐車場まで車道を降りて行った.本来であれば、送迎バスと高速バスを乗り継いで山形駅から新幹線で帰京するはずだったが、鶴岡のエスモールバスターミナルに忘れ物をしてしまい、それを取りに鶴岡へ戻る羽目になった.庄内交通の関係者の方々に親切な対応をしていただいたお陰で、無事その日の内に帰宅することができた.
前回の山刀伐峠越えの際にも、山形の人々の親切にしていただいた.もう少し涼しくなったらまた鶴岡から、奥の細道の旅を続けるつもりだ.
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