4/22　27番神峰寺へ

この日は朝からどんより曇っていた．朝のお勤めは本堂ではなく、新しい宿坊の建物と古い宿坊の間にあった小さなお堂のような場所で行われた．中は大勢の団体さんで一杯で、外の廊下にまで人が溢れていた．朝食を済ませ出発準備に取り掛かったが、テーピングに時間を取られいつものように宿を出るのが一番最後になってしまった．

宿の会計を済ませようとしたが、この宿坊を取り仕切っているご住職の奥さんが不在で支払うことができなかった．犬の散歩に出掛けてしまったようなので奥さんが散歩から戻って来るまで仕方なく境内で暇を潰していた．私の出発が遅かったので、奥さんは既に全員出立したものと思い散歩に出てしまったようだった．

結局宿坊を後にしたのは午前9時を過ぎていたが、今日も時間的には余裕がありそうなのでのんびり歩いて行くことにした．金剛頂寺から海岸線へ下りていく道は、昔ながらの地道の遍路道でとても心地良かった．

国道55号線沿いの旧道を安芸方面へ向かって歩いている途中でポツリポツリ雨が降り始めたので、倉庫の庇を借りてレインウェアに着替える．道の途中にあった吉良川という古い街をのんびり散策して行きたかったが雨が降っていたので見学せずにそのまま通り過ぎた．

27番の神峰寺は安田という海岸沿いの街から4km程の奥まった標高430mの山の上にあるが、ここの札所は海岸からの打戻りしか方法がない．午後2時頃に安田に着いたが、相変わらず雨は降り続いている．時間的には神峰寺に行って戻ってくるには十分だったが、この雨と足の状態を考えるととても神峰寺へ向かう気力は無かった．

今夜の宿は安田に取ってあるので、とりあえず一旦宿に入ってから神峰寺へ向かうかどうか決めることにした．宿に着くと女将さんが迎えてくれた．お茶を戴き一休みしていると、女将さんに荷物を預かっているから先に神峰寺へ行ってきなさいと急かされた．正直なところ神峰寺は明日に廻して今日はもうここでゆっくり休んでいたかったのだが、今日のうちに神峰寺へ行っておいた方が良いと熱心に勧めるので、荷物を置いて神峰寺へお参りすることにした．

足のマメの手入れを澄ませ、もう一度テーピングを仕直し新しい靴下に履き替えてから、雨が降りしきる中神峰寺へ向かった．田圃やビニールハウスが建ち並ぶ田園地帯を抜け神峰寺への山道に入ると、雨足が一層強くなってきた．チェストバッグを濡らさないようにレインウェアの中に入れているのでバランスが悪く歩きにくい．後から団体さんを乗せたマイクロバスがエンジンを目一杯吹かせながら登っていく．大型バスは通れないような細い道なので、団体さんは安田でマイクロバスに乗り換えて神峰寺を往復しているようだ．

神峰寺までは大部分が舗装された道路なので、雨の中でも問題はないが、舗装道路をショートカットする地道の部分は滑り易いので、転ばないように慎重に登って行った．午後4時前に神峰寺へ着いたが、レインウェアの中は汗でびっしょりだった．お参りを済ませお堂の庇を借りて一休みをするが、流石に標高430mの山の上は寒く、体中から湯気が沸き上がっていた．

このままでは風邪を引きそうなので早々に神峰寺を引き上げることにした．天気が良ければ土佐湾を一望できた筈なのだが、この雨では何も見えなかった．山を下りて行く途中で猛スピードで上がってくるタクシーや小型のマイクロバスとすれ違ったが、納経所の窓口閉鎖時間が迫っているので急いでいるようだ．この悪コンディションで事故でも起こさなければ良いが．

宿に戻り、冷えた体をお風呂で温めるとようやく一息付くことができた．足の裏のマメがかなり悪化していて、皮が完全にはがれてしまっていた．この日は私の他に70歳くらいの歩き遍路の男性が一人と６名ほどの男女のお遍路さんのグループが泊まっていた．話を聞くとこのグループは高校の同窓生で、60 代前半ぐらいのようだった．ジャンボタクシーで札所を廻っているようだった．

起点		経由地		終点	区間距離	累積距離	備考
金剛頂寺 宿坊		→		民宿 きんしょう	24.4 km	24.4 km
民宿 きんしょう		→		27番 神峰寺	4.0 km	28.4 km
27番 神峰寺		→		民宿 きんしょう	4.0 km	32.4 km

この日の歩数：52,502 歩 【累積歩数：561,684 歩 】　歩行距離：32.4 km【累積歩行距離：316.2 km 】
　

宿泊先：　民宿 きんしょう　【 TEL 0887-38-7890 】
　　　　　　〒781-6422　高知県安芸郡安田町唐浜2374-1
　　　　　　洗濯機 : 有り（無料）

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