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2010

ベケットヘッドハウジングの製作

二代目ベケットヘッドハウジングの製作


初代のベケットヘッド方式プロテインスキマーは我が家のメイン水槽のサンプで今も元気に稼働しているが、今ひとつクリーミーな肌理の細かい泡が出ていないので、有り余っている手持ちのベケットヘッドを使って新しいベケットヘッドハウジングを製作してみることにした.


今回使用する部材は新たに調達することは避け、手持ちのジャンクパーツの組み合わせで作成することにしたのだが、色々とパーツを物色していたら思いがけない一品が出てきた.それは何年も前に購入したアクア工房のヨウ素殺菌プロテインスキマー(実売価格で4000〜5000円くらい)だった.


このヨウ素殺菌プロテインスキマーが VU40仕様のアクリルパイプでできており、しかもエアーインジェクション用に丁度良い具合に空気取り入れ口が付いていた.これまで苦労してベケットヘッドハウジングを作ってきたが、これなら楽勝で結構見栄えの良いハウジングが作れそうだ.



現在稼働中の1号機の様子


1号機に関する製作記事はこちらです.『プロテインスキマーの製作(ベケットヘッド方式)


ベケットヘッド1号機
稼働中のベケットヘッド1号機
空気取り入れ孔部分
空気取り入れ孔部分のクローズアップ


ベケットヘッドの改造


1号機では入水側のバルブソケットにVP20を用い、そこから更に細いアクリルパイプを間に挟んでベケットヘッドの入水口につないでいた.このため入力側の流量がかなり絞られてしまいポンプ(Rio3100)の能力を十分に生かしきれていないような気がする.尤も入力側の口径が絞られると流速自体は上がるので、泡の発生という面では逆に良いことなのかもしれない.この辺のきちんとした理論は専門外なので今イチ良く分からないが、今後も試行錯誤してみるしかなさそうだ.


今回ベケットヘッドの空気取り入れ穴を4つから6つに増やして見ることにした.また1号機では空気取り入れ穴まで水没してしまい、水と一緒に空気が吸い込まれているようなので水排出用の穴を空気取り入れ口の少し下部に2つほど開けてみることにした.果たしてこの結果が吉と出るか凶と出るか...


空気取り入れ穴を追加する
空気取り入れ穴を追加する
接合部に沿って穴を開けてみた
接合部に沿って穴を開けてみた

ヨウ素殺菌プロテインスキマーを流用する


ヨウ素殺菌プロテインスキマー
ヨウ素殺菌プロテインスキマー
ベケットハウジングにピッタリ!!!
ベケットハウジングにピッタリ!!!


ハウジングの製作


胴体を適当な長さにカットする
胴体を適当な長さにカットする
アクリルにはパイプカッターは使えない
アクリルにはパイプカッターは使えない


 アクアシステムのヨウ素殺菌プロテインスキマーの胴体には吸盤を取り付けるための穴が空いているので、そこを上手く避けて利用するようにすれば良いだろう.逆に空気取り入れ穴や排水用の穴として用いても良いかも知れない.今回空気取り入れ口として用いる胴体の中央部(黒い部分)の突起部分のパイプの外径は約18mmだったので、VP13の配管材料が使えそうだ.実際にVP13のソケットをつないでみたが少し緩かったので、シーリングテープを巻けば丁度良い塩梅になるかもしれない.


胴体のアクリルパイプはVU40サイズ(肉厚2mm)なのでVU40規格のソケットや配管材料がそのまま利用可能だ.アクリルパイプをベケットヘッドのサイズに合わせて適切な長さにカットしなければならないが、今回はアクリルカッターを用いてパイプを綺麗にカットすることにした.その際にパイプカッターを補助道具として用いたが、このパイプカッターはあくまでも罫書き線引きと回転軸をぶれさせずに安定させるために使っただけで、決してパイプのカットには使用してはいないことに注意して欲しい.アクリルパイプをパイプカッターで切断しようとすると、ほぼ100%に近い割合でパイプが割れてしまう.尚、塩ビパイプにはパイプカッターを用いても大丈夫です.



ベケットヘッドを塩ビ規格のソケットに装着する際に問題になるのが、ベケットヘッド側の口径が日本の塩ビ規格とは全く一致しないことだ.先ずはベケットヘッドの正確な口径を測ってみることにした.


 入水側:リングを装着した状態の外径 → 約27.7 mm
     リング未装着の場合の外径  → 約24.1 mm
     内径            → 約20.0 mm

 出水側:リングを装着した状態の外径 → 約30.0 mm (最大外径 約40.0 mm)
     リング未装着の場合の外径  → 約26.35 mm
     内径            → 約23.5 mm

ちなみに、日本の塩ビ管の規格では
 VP13 :  外径 18 mm  厚さ 2.2 mm   近似内径 13 mm
 VP16 :  外径 22 mm  厚さ 2.7 mm   近似内径 16 mm
 VP20 :  外径 26 mm  厚さ 2.7 mm   近似内径 20 mm
 VP25 :  外径 32 mm  厚さ 3.1 mm   近似内径 25 mm
 VP30 :  外径 38 mm  厚さ 3.1 mm   近似内径 31 mm
 VP40 :  外径 48 mm  厚さ 3.6 mm   近似内径 40 mm

 VU40: 外径 48 mm  厚さ 1.8 mm   近似内径 44 mm
 VU50: 外径 60 mm  厚さ 1.8 mm   近似内径 56 mm


今回はベケットヘッドの入水側、出水側のリングを装着した状態で設置することにした.入水側にはVP25のソケットを用いることにした.VP25の塩ビ管の外径は32mmで内径は約25mm(透明塩ビ管の実測では約26mm)なので、リングを装着した状態では上手く装着できない.塩ビ管の代わりにアクリルパイプ(外径32mm 肉厚2mm)を調達すれば、ベケットヘッドの周りに止水テープを巻く程度で上手く装着できるだろう.


このサイズのアクリルパイプ(長さ 1000mm)は『はざい屋』さんで1,430円、『アクリ屋』さんで1,591円だった.


入水側は VU40の塩ビキャップの中央に直径40mmの穴を開け、そこに短めにカットしたVP25ソケットを押し込んで塩ビ接着剤で接着した.


出水側はラッパ上のリングの最大直径が約40mmなので、VP40(VU)ソケットに合わせることができない.今回用意したショートタイプのVU40ソケットのネジを切ってある部分の裾の方に丁度良い塩梅で適合できそうなので、このVU40のソケットをそのまま使うことにした.



VP25ソケットとVU40キャップ
VP25ソケットとVU40キャップを接合
入水側のソケットの構造
入水側のソケットの構造


出水側はVU40ソケットで受ける
出水側はVU40ソケットで受ける
ラッパ部分がソケットに上手く収まった
ラッパ部分がソケットに上手く収まった



ベケットヘッドハウジングの完成
ベケットヘッドハウジング(2号)の完成



上記のハウジングは実際に使用することなく、ベケットヘッドハウジング(3号)へと移行しました.3号は入水側のソケットを今までのVP20メスをそのまま使い、排水側は手持ちの流し台の排水アダプタ(VU40タイプ)に変更してあります.


入水側の方はリングを外して、周りにテープを巻いて外径を無理矢理VP20の外径に合うように調整してあります.VP25を用いて余計なパイプを間に挟むよりこの方が安上がりです.


ベケットハウジング3号
ベケットヘッドハウジング(3号)